離婚届の書き方~届出日から証人まで全て解説!

この記事は、離婚届の書き方にわからない点がある人向けです。詳しすぎて内容は難しいですが、どうしても疑問が消えない・確信が持てない人のために、ほとんどの人には不要な情報まで掲載しています。

もし、これから離婚届を書き始める場合や、離婚届の入手方法・提出方法を知りたいだけであれば、離婚届の入手から提出まで(書き方も載っています)を先に見てください。

また、この記事でも説明が不足している場合は、役所(海外在住なら大使館や総領事館)へ問い合わせることをおススメします。

欄外:届出日/届出先

離婚届 - 届出日・届出先

右側の受理・送付・発送などの欄は、役所が使う欄なので記入不要です。

届出日

離婚届の左上、太線の欄外には末尾に「届出」と書かれた場所があります。ここに書くのは離婚届の記入日(作成日)ではなく、戸籍の窓口へ実際に提出する日か、郵送なら投函する日なので、最後に記入するべきです。

もし、先に届出日を書いてしまって、訂正せずに後日提出した場合は、窓口なら提出日に訂正を求められます。

郵送の場合にも訂正を求められそうですが、投函日・消印日・到達日のズレは普通にありますし、郵送の場合は役所への到達日が受付日となるため、軽微な不備として役所側で処理して届出人に訂正まではさせないでしょう。

協議離婚届の受付日と受理日

協議離婚の場合、離婚届の受理日が離婚成立日になり、受理日がとても重要です。裁判離婚では、調停・和解の成立、請求の認諾、審判・判決の確定によって離婚が成立し、離婚届は成立した離婚を事後に報告する届出に過ぎません。

協議離婚届では、窓口での受領または郵送で到達した日を受付日とし、審査の結果、離婚届が記載上で適法なら受理されます。この受理日は、審査を経るので受付日から遅れることも当然ありますが、審査で問題がなく受理されると、受付日に遡って受理日とされます。

したがって、離婚届に記入された届出日が受付日と異なり、そのまま受理されたとしても、離婚成立日は受付日であって記入された届出日とはなりません。

届出先

離婚届の届出先(宛先)は、実際に離婚届を提出する市区町村長(市区町村長の氏名は不要)を記入します。最初から「長 殿」と印刷されているので、提出する役所の市区町村名を書けばそれで済むはずです。

本籍地の役所に提出するなら本籍地の市区町村長宛て、本籍地以外の役所に提出するなら提出先の市区町村長宛てになります。

入手した離婚届に、市区町村長が印刷等されている場合、横線で消して提出する市区町村長宛てに訂正します。このとき、訂正印は必要としません。

海外在住の場合は在外公館への届出も可能

海外在住の場合、在外公館(大使館・総領事館)も離婚届の提出先として有効です(戸籍法第40条)。したがって、在外公館に届け出るなら、届出先の記入は大使や総領事宛てになります。

また、在外公館がなければもちろん、在外公館があっても本籍地の役所に直接郵送することは可能とされています。

氏名/生年月日

離婚届 - 氏名・生年月日

氏名

婚姻中の氏名を、略字を使わず戸籍の記載に従って記入します。

日本では夫婦が同じ戸籍に存在し、同じ戸籍では同じ氏(姓・名字)を使うので、結婚したときに夫か妻が戸籍筆頭者になって、夫婦が同じ氏を使っているはずです。したがって、夫も妻も婚姻中の同じ氏と、それぞれの名前を書くことになります。

裁判離婚(調停、審判、和解、請求の認諾、判決)においては、離婚届の提出前に離婚は成立していますが、裁判離婚でも離婚届では婚姻中の氏で記入します。

夫婦の一方が外国人の場合

夫婦の一方が外国人の場合は、結婚によって日本人配偶者が戸籍筆頭者になりますから、日本人配偶者の戸籍を確認し、身分事項欄の婚姻に記載されている氏名を、片仮名で記入します(よみかたは記入の必要がありません)。

ミドルネームを含む場合でも、戸籍上は読点を用いて氏と名を区別している(ミドルネームが名に含まれるならファーストネームに繋がっている)はずです。

なお、本国でも漢字を使う外国人においては、氏名を漢字で書くことも可能ですが、この場合の漢字は日本で認められている正しい文字のみが対象です(漢字の場合はよみかたも記入します)。

また、外国人と結婚して「外国人との婚姻による氏の変更届」により、外国人の氏に変更した場合でも、婚姻中の氏を書くので外国人の氏を書きます。

生年月日

日本人は元号(平成を「H」と書くなどアルファベットの略記は不可)による和暦で、外国人は西暦で記入します。

もし、真の生年月日が戸籍上の生年月日と違う(出生届が誤っていた)場合でも、戸籍上の生年月日を記入し、真の生年月日はその他欄に記載するとされています。

戸籍上の生年月日を真の生年月日に合わせるには、家庭裁判所で戸籍訂正許可の審判を得なくてはなりません。

日本人の生年月日を西暦で記入して提出した場合、生年月日が戸籍と相違なければそのまま受理する扱いがされます(昭和54年6月9日民二3313号通達)。したがって、日本人の生年月日は、和暦でも西暦でも問題ありません。

ところが、実際には戸籍と生年月日が一致していても、西暦で記入した離婚届に訂正を求める窓口が多いようで、どうしても西暦にこだわるなら通達を根拠にすれば西暦で受理されるでしょう。

届出等の和暦と西暦

和暦と西暦のどちらでもいい人には、何が問題なの?と思ってしまうでしょうか。問題の背景には、元号表記に対する思想的な部分が含まれており、ここでは取り上げません。

通達の趣旨は、元号法が国民に元号の使用を義務付けるものではなく、戸籍事務にも影響しないとするものです。公文書には元号表記が使われていることから、戸籍記載の情報源となる離婚届でも元号表記を基礎とする書式が使われているに過ぎず、戸籍法上でも「届出人の出生の年月日」としか規定されていません(戸籍法第29条第3号)。

したがって、生年月日が正しい限りにおいては、西暦表記であっても戸籍法上の要件を満たしており、通達からも受理されなくてはならないはずです。

ただし、離婚届が西暦表記で受理されたとしても、戸籍の記載が西暦になることはあり得ず、元号に直されて記載されます。

そして、元号で記載された戸籍に対し、西暦表記の謄本や抄本を求めても、役所が応じることはなく元号表記で交付されます。

結局のところ、離婚届に西暦を使うのは、届書(原本・謄本・副本)として保管される点において西暦が残るだけで、戸籍には全く影響しないということです。

住所/世帯主の氏名

離婚届 - 住所

住所

離婚届を出す時点で、住民登録をしている住所を都道府県名から記入します。「丁目」や「地番号」を省略することはできず、方書(間借りの世帯主、アパート名・マンション名・団地名など)も省略せずに記入します。

ハイフン(”-”)を用いた略記(例えば○○町1-1-1)は使用できず、数字部分は地名に該当しない限り、アラビア数字で問題ありません。

離婚届を出す時点で別居していても、住民異動届(転出届、転入届、転居届)が出されておらず、婚姻中の住所に住民登録しているなら婚姻中の住所になります。住民異動届を出していれば、離婚届での夫婦の住所は当然に異なります。

つまり、離婚時の同居・別居に関係なく、常に住民登録上の住所を記入すれば良いことになりますが、これは住民異動の手続が適切にされている前提だからです。

現実には、全員が遅滞なく住民異動届を出すとは限らず、離婚届を出す前に別居していても、現住所と住民登録上の住所が一致しないことも良くあります。

そこで、離婚届と同日に現住所で転入届か転居届を出す場合は、例外的に現住所を記入することになっています。同じ扱いで、離婚直後から別居する場合も、新住所を記入して、同日に転入届か転居届を出します。

ただし、転入届か転居届を受理できる役所は離婚後の住所の役所ですから、住民登録されていない現住所や新住所を離婚届に書くことができるのは、離婚後の住所の役所に離婚届を出す場合だけです。

また、転入届は転出届による転出証明書を必要とする(住民基本台帳カードによる特例を除く)ため、事前に転出届を出していることが前提です。この点はうっかりしやすいので注意しましょう。

  1. 原則は住民登録上の住所を記入
  2. 離婚前の別居で現住所が住民登録上の住所と異なれば、現住所の役所に離婚届を出す場合に限り現住所を記入
  3. 離婚後の別居で新住所が決まっていれば、新住所の役所に離婚届を出す場合に限り新住所を記入
  4. 2と3のどちらの場合も離婚届と同日に転入届か転居届が必要(転入届なら先に転出届も必要)

夜間・休日に離婚届を提出する場合

夜間・休日でも離婚届を受け付けてもらえます(受理は翌開庁日)が、転入届や転居届(住民異動届)は夜間・休日に受け付けてもらえません。

したがって、夜間・休日に離婚届を提出するなら、離婚届には住民登録上の住所を記入して、後日開庁日に転入届や転居届を出します。

ただし、離婚届と一緒に転入届や転居届を出す場合に限り、受け付ける(受理は翌開庁日)扱いの役所もあります。このとき、離婚届の住所をどのように記入するべきかは、届け出る役所に直接聞いてください。
※判明したら追記します。

外国人の場合の住所

現在は外国人であっても中長期滞在なら住民登録されるため、住民登録上の住所を記入します。この住所は、在留カードにおける住居地(旧外国人登録証明書における居住地)となるはずです。

海外在住の場合の住所

渡航時に海外転出届を出していれば、日本で住民登録されていないので、海外の居住地を片仮名と漢字(国・州・市など)で記入します。

世帯主の氏名

離婚届に記入の住所は住民登録上の住所です。住民票で確認できる世帯主をそのまま記入します(世帯主によみかたの記入欄がある用紙もあります)。
※外国人が世帯主の場合は調査中です。

ただし、前述のように離婚届と転入届または転居届を同時に出すことで、離婚届に住民登録と異なる住所を記入する場合は、その住所の世帯主です。転入届または転居届には、新しい世帯主を記入しますが、離婚届に記入の世帯主と一致します。

本籍

離婚届 - 本籍

婚姻中は夫婦が同じ戸籍に入っているので、本籍欄は1つしかありません。戸籍に記載のある本籍を都道府県名から記入し、下の段に筆頭者の氏名を記入します。

筆頭者の氏名は結婚で氏(姓・名字)が変わらなかった側の氏名ですが、同姓同士で結婚した場合には、戸籍謄本で筆頭者を確認するか、婚姻届を出したときに決めた筆頭者を思いだすしかありません。

氏名欄が婚姻中の氏名で記入するのと同じように、既に離婚が成立している裁判離婚であっても、離婚届では婚姻中の本籍と筆頭者の氏名を記入します。

また、住所欄と同じく、本籍はハイフン(”-”)を用いた略記を使用できず、数字部分は地名に該当しない限り、アラビア数字で問題ありません。住所と異なり本籍は地番(番・番地)までしかないので注意しましょう。

本籍がわからないとき

住所は日常的に使うので忘れるとは考えにくいですが、本籍はめったに使わないので、住所と異なる本籍の人は、本籍を忘れてしまうときもあります。

戸籍謄本を見れば確認できるとはいえ、戸籍謄本は本籍地の役所でしか手に入りませんから、本籍がわからないと戸籍謄本も取れない堂々巡りですよね。

本籍がわからない場合には、本籍が記載された住民票の写しでも確認できます。住民票の写しを取る際は、忘れずに本籍の記載を申請しましょう。

外国人の場合の本籍欄

外国人には戸籍がなく、夫婦の一方が日本人なら日本人配偶者の戸籍に記載の本籍と筆頭者(必然的に日本人配偶者)を記入し、「夫(妻)の国籍 外国名」と外国人の国籍を併記します。

このとき、外国名は一般的に使われる国名で構いません。例えばアメリカ合衆国をアメリカと書いても、中華人民共和国を中国と書いても大丈夫です。

父母の氏名(父母との続き柄)

離婚届 - 父母の氏名・父母との続き柄

夫婦それぞれについて、離婚届を出す時点における父母の氏名と続柄を記入します。続柄は長男(長女)、二男(二女)、三男(三女)のように表記します。次男(次女)は使わないので注意しましょう。

婚姻中に父母が離婚、再婚などで氏の変更があっても、父母であることに変わりなく、離婚届を出す時点の氏名を書きます。無論、父母が死亡したとしても、父母ですからどちらも記入が必要です。

父母が婚姻中または婚姻中に死亡して婚姻が解消された場合、父母は同じ戸籍に入っているので、父は氏名を書き、母は氏を書かずに名前だけを書きます。父母が婚姻中でなければ、父母の戸籍は異なり氏も異なるため、母の氏は省略せずに書きます。

なお、父母が同姓同士で結婚して離婚した場合、別姓での結婚でも離婚時に「離婚の際に称していた氏を称する届」を出した場合、離婚で旧姓に戻ったが再婚相手が前婚と同姓の場合など、離婚した父母が同姓を使っている場合もあります。

これらの場合でも、母の氏は省略せずに書きます。なぜなら、同じ呼称の氏になっているだけで、戸籍が違えば氏は異なるからです(同じ名字でも違う家の人なら区別されて扱われるのと同じです)。

養子の場合

普通養子の場合には、実父母の氏名と実父母との続柄を記入して、養父母の氏名はその他欄に(養父母が複数なら全てを)記入します。

役所によっては、養父母の氏名だけではなく、続柄(養子・養女)を記入させる運用もあるため書いておいた方が無難です。特別養子の場合は、養父母の扱いではなく戸籍上の父母なので、戸籍上の父母の氏名と続柄を記入します。

嫡出ではなく認知されている場合

認知されていれば法律上の父子関係があるので、父母の氏名を書きます。続柄は戸籍に記載された続柄を記入します。

嫡出ではなく認知されていない場合

認知されていない場合は、血縁上の父は存在しても、法律上の父子関係がないので、離婚届には父の氏名を記入せず、母の氏名と戸籍に記載された続柄を記入します。

非嫡出子(婚外子)の続柄

非嫡出子(婚外子)の続柄については、平成16年11月1日から、認知されていない子であっても長男・長女、二男・二女…のように出生順で記載されますが、それ以前の戸籍では男・女としか記載されていません。

この点について、男・女と記載された戸籍を、出生順の記載にしたいときは、本籍地の役所に更正の申出をすることになりますが、離婚届のその他欄で更正の申出をすることもできます。

※離婚届のその他欄に「夫(妻)の続柄を○○とする更正を申し出ます」(○○は出生順の続柄)と記入すれば、申出の意思表明に足りると考えられますが、役所に確認してください。

離婚の種別

離婚届 - 離婚の種別

この欄は離婚届がどのような離婚に基づいているか、区別するために用いられます。大きな区別としては協議離婚と裁判離婚(広義)で、裁判離婚は調停の成立、審判の確定、和解の成立、請求の認諾、判決の確定による離婚です。

ただし、離婚調停で協議離婚する旨を定めた調停調書を作成し、後日当事者が協議離婚する場合、離婚調停では離婚が成立していないので裁判離婚とは呼びません。その場合は、協議離婚にチェックします。

離婚の種別にチェックを付けるのは理由があり、協議離婚であれば当事者双方の署名押印と証人の署名押印が必要、裁判離婚なら当事者一方からの届出が可能で証人も不要ですが、家庭裁判所が交付した文書を添付する決まりになっているからです。

離婚の種別で役所が確認する内容も変わりますし、戸籍に離婚の種別が記載されるため離婚届で明示するのですが、添付書類がなければ協議離婚しかありません。

もし添付書類があれば、その書類で離婚の種別は判断できるのでこの欄は不要だとも言えます。それでも面倒な記入ではないので我慢しましょう。

ところで、協議離婚だけは日付の記入欄がありません。これは、協議離婚においては離婚届の内容を審査し、役所が受理して初めて離婚が成立するからです。

つまり、協議離婚は離婚届を提出した時点で成立していませんが、受理されると届出日に遡って離婚が成立するため、結果的には届出日が離婚日です。

裁判離婚の日付は家庭裁判所の文書を確認

調停、審判、和解、請求の認諾、判決のいずれでも、離婚届を提出するときに、家庭裁判所の文書を添付することは説明しました。これらの文書には日付が記載されており、その日付を離婚届に記入します。

調停、和解、請求の認諾では調書に記載の年月日(期日)、審判、裁判では確定した時点で離婚成立となるため、確定証明書に記載の年月日(確定日)です。

婚姻前の氏にもどる者の本籍

離婚届 - 婚姻前の氏にもどる者の本籍

離婚によって夫婦の戸籍から抜ける側について、離婚後の戸籍を決める非常に重要な欄です。夫婦の戸籍から抜ける側=婚姻前の氏に戻る側ですから、結婚で氏が変わった側を意味します。

夫婦の一方が外国人であれば、戸籍筆頭者は日本人ですが、離婚をしても戸籍の異動がありません。したがって、この欄への記入は不要となります。

外国人と婚姻して、「外国人との婚姻による氏の変更届」により外国人の氏へ変更している場合は、離婚から3ヶ月以内に限り、「外国人との離婚による氏の変更届」を出すことで婚姻前の氏に戻ることができます。

この欄を意図通りに記入するには、戸籍と氏についての理解が欠かせませんが、少なくともはっきりしているのは、結婚で氏が変わった側は、離婚すると次の3つから選ばなくてはならない点です。

  1. 婚姻前の氏に戻って婚姻前の戸籍に戻る
  2. 婚姻前の氏に戻って新しい戸籍を作る
  3. 婚姻中の氏を名乗って新しい戸籍を作る

「婚姻中の氏を名乗って婚姻前の戸籍に戻る」という選択肢がないのは、婚姻前の戸籍に戻ると婚姻前の氏に戻るしかないからです。同じ戸籍は同じ氏を使うため、婚姻中の氏を名乗ったまま婚姻前の戸籍に戻ることはできません。

また、戸籍というのは自由に出入りできるものではなく、離婚で婚姻前の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るのかは安易に決めるべきことではないので、上記の3つから選んだ結果、どうなるか良く考えてから決めましょう。

1.婚姻前の氏に戻って婚姻前の戸籍に戻る

婚姻前の氏に戻る「夫」または「妻」と、「もとの戸籍にもどる」にチェックして、戻る戸籍(婚姻前の戸籍)の本籍と筆頭者氏名を記入します。

ただし、記入するのは必ず以下を確認してからにしてください(婚姻前の戸籍に戻ることができない場合もあります)。

戻るべき婚姻前の戸籍として考えられるのは3つあります。

  • 親の戸籍から結婚で抜けた場合は親の戸籍
  • 前婚や分籍で自分を筆頭者とする戸籍を婚姻前に作っていた場合はその戸籍
  • 例外として婚姻中に養子縁組した場合は養親の戸籍

したがって、筆頭者氏名は親の戸籍に戻るなら親の氏名、自分を筆頭者とする戸籍に戻るなら自分の氏名、養親の戸籍に戻るなら養親の氏名になります。

いずれの場合であっても、離婚で戻る戸籍が除籍になっていないことを条件とします。除籍とは戸籍から全員が出てしまったか死亡して、生存者がいなくなってしまった戸籍のことです。

個人の除籍と戸籍の除籍

除籍という言葉には2つの意味があります。1つは戸籍の個人が戸籍から抜け出るか亡くなって、その戸籍から除かれること、もう1つは戸籍の全員が除籍されてしまい、除籍簿に入った戸籍そのものです。どちらの意味かわからなければ、対象が個人なのか戸籍なのかで区別します。

個人が除籍される理由は、死亡した、結婚して親の戸籍から抜けた、離婚して夫婦の戸籍から抜けたなどです。戸籍が除籍される理由は、既に説明の通り戸籍に誰もいなくなった場合ですが、転籍(本籍を変えること)によっても戸籍の全員が新本籍の戸籍に移りますから、転籍前の戸籍は除籍になります。

除籍という言葉はかなり混同しやすく、例えば「戸籍の全員が除籍になって戸籍が除籍になる」という用法は間違いではありません。前者は個人、後者は戸籍を対象とする「除籍」です。除籍謄本は除籍になった戸籍の謄本ですから、当然に全員が除籍されています。

逆に、戸籍の誰かが除籍になった戸籍謄本も存在します。同じ戸籍に1人でも残っていると、その戸籍は除籍にはならないためです。…やっぱりややこしいですね。

婚姻前の戸籍に1人でも残って生存していると、その戸籍は除籍にならず離婚で戻ることができます。普通は親や兄弟姉妹の現状を把握しているでしょうから、親の戸籍が除籍になっているかどうか迷うことはないでしょう。

婚姻前の戸籍が自分を筆頭者としていたとき、その戸籍が除籍になっていないとすれば、子供(養子)を戸籍に残し、相手の氏を選んで結婚した場合です。

事情があればともかく、子供だけを戸籍に残して結婚する習慣はあまりないので、婚姻前の戸籍で筆頭者が自分なら、ほとんどは除籍になっていると考えられます。

戻る戸籍が除籍になっているとき

戻るべき婚姻前の戸籍が除籍になっていると、その戸籍を復帰させて戻ることはできず、婚姻前の氏で新しい戸籍を作るしかなくなります。

したがって、この場合は「婚姻前の氏に戻って新しい戸籍を作る」と同じになり、そちらを記入の参考にしてください。

もし、戻る戸籍が除籍になっていると知らず、除籍になった戸籍の本籍と筆頭者氏名を書いて離婚届を出してしまうと訂正を求められます。

本人からの届出ではないときは持ち帰りとなるか、その場で本人に連絡ができれば、新本籍と筆頭者になる旨を確認した上で職権訂正も可能です。

戻る戸籍が転籍しているとき

戻る戸籍が転籍している場合、本来戻るべき戸籍は転籍によって除籍になっていますが、転籍後の戸籍に戻ることができます。この場合、本籍と筆頭者氏名は、転籍後の戸籍について記入します。

夫婦の戸籍に子供がいるときは要注意

夫婦の戸籍に子供がいて、その子供の親権者が離婚で婚姻前の戸籍に戻る場合、戻る戸籍が親の戸籍のときは子供を入籍させることができません。戸籍は3世代が入れない決まりがあり、親にとって孫にあたる子供は親の戸籍に入れないのです。

そのため、子供を自分と同じ戸籍に入籍させる予定なら、親の戸籍ではなく自分を筆頭者とする新しい戸籍を作ることになります。親の戸籍に戻ってしまっても、子供を後から受け入れる方法には2つあります。

  • 親の戸籍から分籍して新しい戸籍を作り、その戸籍に子供を入籍届で入籍させる
  • 親の戸籍に残り、子供を入籍させるときの入籍届で新しい戸籍を作る

どちらの方法でも、子供を受け入れるための新戸籍を作る点では一緒です。親の戸籍に戻ってしまったら、入籍届の提出で新戸籍を作った方が手続は簡便です。

2.婚姻前の氏に戻って新しい戸籍を作る

婚姻前の氏に戻る「夫」または「妻」と、「新しい戸籍をつくる」にチェックして、新しい戸籍の本籍と、筆頭者として自分の氏名を記入します。

このときに筆頭者として書く氏は、婚姻中の氏ではなく、新戸籍となる婚姻前の氏(例外として婚姻中に養子縁組していれば養親の氏)です。

新しい戸籍の本籍は、国内に存在する(地番や住居表示の街区符号がある)場所であれば、誰でも自由に選ぶことはできます。

それでも、明らかに使える本籍(例えば現住所や親の戸籍の本籍など)以外は、事前に本籍として使えるか本籍候補地の役所に問い合わせておきましょう。存在しない場所を本籍に記入してしまうと、離婚届が受理されません。

新本籍の訂正は、欄外に押した捨印では役所が訂正できず、訂正できるのは本人だけです。したがって、本人の訂正により訂正箇所に直接訂正印を必要とします。

新しい戸籍を作ると婚姻前の戸籍には戻れない

離婚で婚姻前の戸籍に戻る場合、戻った戸籍において自分が戸籍筆頭者でなければ、後から分籍によって新しい戸籍を作ることが可能です。それに対し、離婚で新しい戸籍を作った場合には、婚姻前の戸籍に戻ることができなくなります。

分籍による新戸籍でも、旧戸籍に戻れなくなるのは同じですが、離婚で新しい戸籍を作ると、婚姻前の戸籍に戻る唯一の機会を失うことになるので、この点に問題がないか良く確認しましょう。

3.婚姻中の氏を名乗って新しい戸籍を作る

婚姻中の氏を使うことが日常化しており、離婚後に氏が戻ることで生活に不都合が生じるなら、婚姻中の氏を名乗ることもできます(婚氏続称といいます)。

ただし、離婚によって夫婦の戸籍から抜けるため、厳密には婚姻中の氏ではなく、婚姻中の氏と同じ読み方・書き方で異なる氏を使うことになります。

もちろん、異なる氏といっても、一般的に言うところの名字は変わりません。しかし、婚姻中の氏ではないため「名乗る(称する)」という表現がされます。

呼称上の氏と民法上の氏

氏には呼称上(戸籍上)の氏と民法上の氏があり、大抵はどちらも一緒ですが、離婚で婚氏続称をすると呼称上の氏と民法上の氏が異なる結果になります。

民法上の氏とは、出生時には親の氏で、婚姻で相手の氏に変われば相手の氏になり、離婚で親の氏に戻ります(復氏)。離婚時に婚氏続称を選択しても、民法上の氏は復氏した親の氏から変わりません。

わかりにくいので例を使うと、○○さんが××さんと婚姻して××に氏が変わり、その後離婚するときに××を名乗りたいとしましょう。

民法上の氏は、○○から婚姻で××に変わり、離婚で○○に戻ります。呼称上の氏も、○○から婚姻で××に変わりますが、離婚時には○○に戻らず××を名乗るとしているので、○○ではなく××になります。

この場合、離婚後は民法上の氏が○○、呼称上の氏が××となって一致しません。詳しく知りたい場合は、以下をご参照ください。

私たちが使っている氏(うじ)は、ある程度の範囲で個人を識別するためにも使われます。いわゆる苗字として「○○さん」のように呼ばれるので、社会生活と切り離すことができないほど、日常的に浸透していますよね...

離婚後に婚姻中の氏を名乗るためには、離婚届と一緒に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出します。この届出を離婚届と一緒にするときは、婚姻前の氏にもどる者の本籍欄は空欄にします。

そして、離婚届のその他欄に、離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法77条の2の届)を離婚届と同時に提出する旨を記入します。

【その他欄記入例】
「同日離婚の際に称していた氏を称する届出」
「戸籍法77条の2の届を同時に提出」

離婚の際に称していた氏を称する届出は後からでも可能

離婚の際に称していた氏を称する届は、離婚から3ヶ月以内なら後から提出することもできますが、その場合には離婚届で一旦婚姻前の氏に戻ります。

後から出すので、婚姻前の氏にもどる者の本籍欄は空欄にできず、婚姻前の氏に戻り、婚姻前の戸籍に戻るか新しく戸籍を作るか選択します。

その後、離婚の際に称していた氏を称する届が出されたとき、現在の戸籍の筆頭者が自分でなければ、婚姻中の氏による新しい戸籍が作成されます。

また、現在の戸籍の筆頭者が自分でも、同じ戸籍に他の人(必然的に実子か養子)がいれば、同じく婚姻中の氏による新しい戸籍が作成されます。

しかし、現在の戸籍の筆頭者が自分で戸籍に自分しかいないとき、現在の氏から婚姻中の氏に更正されるだけで、新しい戸籍は作られません。

なお、離婚から3ヶ月を超えてしまった場合は、家庭裁判所に氏の変更許可の審判を申し立てるしか方法がないので、最終的に婚姻中の氏を名乗りたいなら、離婚届と同時または離婚から3ヶ月以内に届け出ましょう。

裁判離婚で筆頭者が離婚届を提出する場合

裁判離婚では、自分の署名だけで離婚届を提出することが可能です。

このとき、婚姻前の氏に戻らない戸籍筆頭者が提出する場合は、夫婦のうち「婚姻前の氏にもどる者」には該当しないので、相手が新しい戸籍を作るときは、相手からの申出が必要になります。

離婚がどのように成立するとしても、相手が新しく戸籍を作るかどうかは、相手の意思で行われることです。そのため、勝手に「新しい戸籍をつくる」にチェックを入れることはできませんし、勝手に本籍を決めることも当然できません。

そこで、相手が新しい戸籍を作るときは次のいずれかの方法になります。

  1. 離婚届のその他欄に相手が新本籍を記入し署名押印する
  2. 離婚届と一緒に相手が作成した新戸籍編製の申出書を添付する
  3. 離婚届と一緒に相手の新戸籍編製が定められた調停調書等を添付する

これらの方法によるとき、「新しい戸籍をつくる」にチェックを入れて、新しい戸籍の本籍と筆頭者として相手の氏名を記入します。筆頭者の記入は、相手の婚姻前の氏を使って記入します。

いずれでもなければ、相手は婚姻前の氏に戻り婚姻前の戸籍に戻ります(相手が作成した「離婚の際に称していた氏を称する届」を添付している場合を除く)。戻るべき戸籍が除籍なら、戻るべき戸籍と同じ本籍の新しい戸籍が作られます。

1.離婚届のその他欄に相手が新本籍を記入し署名押印する

記入するべき内容は、新しく戸籍を作る意思、新本籍、署名押印の3つです。

【その他欄記入例】
「新戸籍編製の申出をします。新本籍の場所 署名 印」
「妻(夫)は 新本籍の場所 に新戸籍編製を申し出ます。署名 印」

このときの署名に使う氏は、婚姻中の氏であることに注意しましょう。相手の自署は当然ですが、届出人(婚姻前の氏に戻らない側)と同じ氏で記入するため、印鑑は異なる印影のものが必要です。

2.離婚届と一緒に相手が作成した新戸籍編製の申出書を添付する

新戸籍編製の申出書については、書式が不明です(判明したら追記します)。

しかし、その他欄への記入と同じ内容(新しく戸籍を作る意思、新本籍、署名押印)があれば足りるはずです。この場合、離婚届のその他欄への記入は不要です。

3.離婚届と一緒に相手の新戸籍編製が定められた調停調書等を添付する

調停調書等に、相手の新戸籍編製が定められていれば、本籍も当然に記載されているので、この場合は離婚届のその他欄への記入は不要です。

未成年の子の氏名

離婚届 - 未成年の子の氏名

夫婦に嫡出子(夫婦に生まれた子供)または養子で未成年の子供がいるときは、夫婦の一方を親権者として指定しなければ離婚できない扱いです。したがって、未成年の子がいるのに、親権者の指定がない離婚届は原則として受理されません。

親権者が夫または妻のどちらになるかは、夫婦の協議で決めることになりますが、親権は離婚の中でも特に激しく争われることから、調停、審判、裁判で定められることも多くあるでしょう。

親権者の決まり方がどうであれ、未成年の子供(子供2人でも子供3人以上でも全員)を、「夫が親権を行う子」と「妻が親権を行う子」に分けて離婚届に記載します。子供の氏は、離婚時に子供が入っている戸籍の氏で記入します。

また、この欄の記載に訂正があるときは、訂正箇所に夫婦両方の訂正印を必要とします。親権者の指定の訂正が、欄外への捨印や一方の訂正印で可能になると、届け出る一方が親権者の指定を容易に変更できてしまうからです。

未成年の子供が夫婦の戸籍にいない場合

未成年の子供が夫婦の戸籍にいないとは、どのような状態か想像できない人も多いのではないでしょうか。

例えば、事実婚で生まれた子供は母親の戸籍に入りますが、母親が父親の氏を選んで結婚すると、父親を筆頭者とする戸籍に母親だけが入り、認知された子供でも母親の旧戸籍に残ったままの状態です。

このように、夫婦以外の戸籍に親権を行うべき未成年の子供がいる場合は、未成年の子の氏名欄で記入する氏は、子供が現在入っている戸籍の氏です。そして、その他欄に子供が現在入っている戸籍の本籍と筆頭者氏名を記入します。

親権者の指定が空欄でも受理されることがある?

結論から先に言うと、親権者の指定が空欄でも離婚届が受理されることはあり得ます。ただし、極めて例外的な場合に限られ、通常あってはならない届出です。

まず、離婚届に親権者の指定がないとき、離婚届は受理できないとされています(民法第765条第1項)。離婚届に親権者の指定がないのは法令違反ですが、誤って受理されると、成立した離婚の効力は妨げられません(民法第765条第2項)。

この点を踏まえると、親権者の指定が空欄の離婚届でも、役所が誤って受理してしまった場合は覆りません(役所の担当者は必ずチェックしますが…)

もう1つあり、離婚調停の付随申立てで親権者の指定が争われ、後日審判で親権者を定める旨の調停調書が作成されて、調停離婚が成立している場合も、親権者の指定が空欄の離婚届で受理されることになります。

1.役所が誤って受理してしまった場合

親権者の指定をするべきなのに空欄で離婚届を提出すると、戸籍を確認すればすぐに判明するため、当然に訂正を求められます。

窓口提出なら普通は受付(受領)すらしてもらえないでしょう。それでも誤って受け付けられ、さらに受理されたと仮定します。

故意の空欄でも過失の空欄でも、親権者の指定に不備があることに違いはなく、後日親権者を指定して届け出ることになります。もし、親権者の指定で夫婦に争いがあるなら、家庭裁判所の調停や審判で決めます。

2.親権者が決まらず調停離婚が成立した場合

原則的には、離婚調停でも親権者を決めて成立させるのが通常です。しかし、親権者が決まらないことで離婚調停全体が不成立になるのは、訴訟による解決しか残されない当事者には負担が重いものです。

そこで、離婚は調停で成立させ、親権者は後日定める調停条項が記された調停調書が添付されれば、親権者の指定が空欄でも離婚届は受理される扱いです。

後日親権者を決める方法としては、夫婦の協議または家庭裁判所の審判による方法の両方があります。そうはいっても、調停で決まらないようなら協議には期待できず、実質的には審判で定めるとした調停条項が多くなるでしょう。

また、この扱いは離婚調停でも特殊で、可能なら親権者の指定も一緒に離婚調停で決めるべきなのは言うまでもありません。

親権者の指定と子供の戸籍は別問題

離婚届で親権者の指定をしても、未成年の子供が自動的に親権者の戸籍へ異動することはありません。離婚で夫婦の戸籍から抜ける側は、夫婦の戸籍に残った未成年の子供と戸籍が別になります。

離婚後に子供の戸籍を異動させるには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」の審判を申し立て、自分と同じ氏にしてから自分の戸籍に入籍させる入籍届が必要です。

離婚をして(離婚届を出して)、自分が婚姻時に氏を変更しているなら、夫婦の戸籍から抜けて婚姻前の戸籍に戻るか新たな戸籍を作ります。しかし、夫婦に子供がいるときは、子供について戸籍の異動はありません。 ...

同居の期間/別居する前の住所

離婚届 - 同居の期間・別居する前の住所

同居を始めた年月と別居した年月を元号を用いて記入、別居をしていれば別居前の住所を記入します。結婚しても同居しない夫婦もあれば、離婚しても別居しない元夫婦もあるので、この欄はケースバイケースで空欄になります。

結婚前から同居していれば、結婚前に同居を始めた年月で記入します。結婚後に同居したなら結婚式の年月でも良いとされているくらいなので、元々アバウトで構いませんし、同居の証明も別居の証明も必要ありません。

また、住所欄には住民登録上の住所を書くことでもわかるように、同居や別居は住民登録で判断します。そのため、夫婦の住所欄が同じなら、実際は別居していても同居として扱います。

同居の期間がないとき

書くべき内容がないので全て空欄にして、その他欄に「同居期間なしのため(6)(7)(8)空欄」と記入します。

同居と別居を繰り返しているとき

最初に同居した年月と直近の別居した年月、直近の別居前の住所を書きます。あまり厳密に考えなくても問題ありません。

離婚時に同居中のとき

別居した年月と別居前の住所は空欄にして、その他欄に「現在同居中のため(7)(8)空欄」と記入します。

同居または別居の年月が不明のとき

この欄は厳密さを求められていないので、思いだせる限りで近い年月を書いても大丈夫ですが、どうしても年すら思い出せないなら「年月不詳」にしましょう。

それでも、戸籍を確認すれば婚姻届が受理された日はわかるので、同居を始めた年月(結婚式の年月)くらいは推測できるはずです。

別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業

離婚届 - 別居する前の世帯のおもな仕事と夫婦の職業

別居する前の世帯のおもな仕事

夫婦で収入の多かった側の主な仕事をチェックします。普通は離婚後に別居して世帯が分かれるか、婚姻中に別居して世帯が分かれるので、別居する前の世帯の収入源となっていた主な仕事をチェックするだけです。

「別居する前の世帯」にこだわってしまうと、婚姻中に一度も同居していない場合や離婚後も同居する場合に該当しなくなりますが、その場合でも夫婦で収入の多かった側を対象にしてチェックします。

なお、選択肢3は従業員数1人から99人までを対象としていますが、正確に調べる必要はなく、ざっくりとわかる範囲で区分けして構いません。

夫妻の職業

国勢調査のある年の4月1日から、翌年の3月31日までに離婚届を提出する場合に記入が必要です。ただし、裁判離婚によって国勢調査のある年の3月中までに離婚が成立している場合は、離婚届の提出が4月1日以降でもこの欄を記入する必要はありません。

逆に、裁判離婚による離婚成立が、国勢調査のある年の4月から翌年の3月までなら、国勢調査の翌年4月に入ってからでも一定期間は記入が必要です(平成28年は4月9日まで、それ以外の年は役所に聞いてください)。

国籍調査のある年は、西暦の下1桁が0か5の付く年とわかりやすく迷わないはずです。

職業欄に書くべき職業とは?

人口動態職業・産業調査で使われる職業を、例示表から探して2桁の分類番号を記入します。普段使っている職業名ではないので注意しましょう。

厚生労働省 – 職業・産業例示表(PDF)
※別ウィンドウまたは別タブで開きます。

その他欄

離婚届 - その他

その他欄に書くべき内容は、実に多岐に渡るため、全ての事例を網羅することはできませんが、記入が必要な代表的な事例を紹介しておきます。詳しくは役所の窓口で教えてもらった方が確実な欄です。

記入が必要な理由記入例
離婚の際に称していた氏を称する届の提出【同日離婚の際に称していた氏を称する届出】
【戸籍法77条の2の届を同時に提出】
裁判離婚:添付書類【添付書類 調停(和解、認諾)調書謄本】
【添付書類 審判(判決)書謄本、確定証明書】
【添付書類 ○○国△△裁判所の判決書謄本、確定証明書、和訳文】
裁判離婚:相手方が新本籍編成【夫(妻)は○○(新本籍の場所)に新戸籍編製を申し出ます。△△(相手方署名) 印】
裁判離婚:相手方による届出【訴えの提起者○○による届出がされないため相手方である△△による届出】
※訴えの提起者は調停・審判なら申立人に変更
夫または妻が普通養子【夫(妻)の養父 ○○】
【夫(妻)の養母 △△】
【夫(妻)の養父母 ○○、△△】
夫または妻が非嫡出子で続柄を更正したい【夫(妻)の続柄を○○とする更正を申し出ます】
未成年の子供が夫婦の戸籍にいない【夫(妻)が親権を行う未成年の子の表示 ○○(子の本籍) △△(子の本籍の筆頭者)】
未成年の子供の出生届がされていない【出生届未済の○○(生年月日)の親権は父(母)△△が行う】
届出人または証人が自署できない【届出人(証人)○○は自署不能につき代書】
【届出人(証人)○○は自署不能につき代書、印がないので拇印】
届出人または証人が押印できない又は拇印【届出人(証人)○○は自署したが印がないので押印しない】
【届出人(証人)○○は自署したが印がないので拇印】
記入が必要な欄を空欄にするとき【~のため○○欄は空欄】
※○○欄は欄外の()番号でも良い

届出人署名押印

離婚届 - 届出人署名押印

届出人とは、離婚する夫婦のことです。夫婦以外が離婚届を提出する場合でも、窓口に持参する人ではなく夫婦が届出人です。

ただし、裁判離婚の場合には、夫婦の一方が届出人となり、通常は訴えを提起した人または調停や審判を申し立てた人です。

例外的に、訴えの提起者または申立人が、裁判離婚の成立から10日以内に届け出ない場合と、調書等に相手方からの届出が記されていれば、相手方からも届け出ることができるので、届出人は相手方になります。

署名押印の注意点

署名は、届出人である夫婦の双方(協議離婚)または夫婦の一方(裁判離婚)が、必ず自署によって記入します。署名に使う氏は婚姻中の氏です。また、署名欄の訂正は、訂正箇所に直接訂正印を押します。

協議離婚では夫婦共に同じ氏で署名しますが、押印に使う印鑑は異なる印影でなくてはなりません。印鑑は認印(いわゆる実印以外の印鑑)でも良く、その代わりゴム印やスタンプ印は使用できない扱いです。

本人が署名できない場合

事情(例えば手が不自由などの理由)があって本人が署名できない場合には、他の人に代書させることも可能です。代書した場合は押印が必要で、その他欄に自署ができず代書したと書きます。

ただし、この扱いは本人に離婚の意思があっても、本人がすべき署名をできない場合の例外で、離婚届を勝手に代書して良いという意味ではありません。

印鑑を持っていない場合

原則として印鑑は必要ですが、印鑑を持っていない場合は、本人が署名していれば印鑑は不要とされています。実際には拇印をさせる運用もあり、抵抗があれば拒否できます。拇印をしない場合は、その他欄で自署したが印がなく押印しないと書きます。

署名が代書で印鑑を持っていない場合は、本人の拇印が必要です。その他欄に自署ができず代書した旨と印がなく拇印をした旨を書きます。

夫婦の一方が外国人の場合

署名は自署が原則なので、協議離婚では外国人配偶者が本国の文字で署名(サイン)することになります。外国人では押印も拇印も不要で、サインだけで足ります。

証人署名押印/生年月日/住所/本籍

離婚届 - 証人

協議離婚のときは、届出人(離婚の当事者)以外の成年者の証人2人による署名押印、生年月日、住所、本籍が必要です。裁判離婚では証人は必要ありません。各欄の書き方は届出人と同じなので、そちらも参考にしてください。

届出人以外の成年者なら、友人・知人、血縁者、第三者でも証人になることができますし、外国人であっても証人として問題ありません(外国人が成年であるかどうかは、本国法に依存します)。

また、成人年齢に達していない日本人でも、結婚して成年者と扱われていれば(成年擬制と言います)証人になることができます。

外国人の場合、署名は本国の文字で押印は不要、生年月日は西暦、住所は在留カードの住居地(旧外国人登録証明書の居住地)、本籍は国籍です。

しかし、証人は成年者なら誰でもなれるので、あえて外国人に証人を頼む事情がない限りは、メリットは特にないでしょう。

欄外:面会交流/養育費の分担

離婚届 - 面会交流・養育費の分担

民法の改正(平成24年4月1日施行)により、民法第766条に面会交流(父又は母と子との面会及びその他の交流)と養育費の分担(子の監護に要する費用の分担)が明示されたことから、離婚届の書式も変わりました。

新しい書式では、面会交流と養育費の分担の取決めについてチェックする欄が設けられたのですが、チェックがなくても離婚届は受理されます。そもそも、面会交流と養育費の取決めは、離婚の必須要件ではないからです。

しかし、自治体の中には面会交流と養育費の分担が協議されているか確認する運用もされていることから、決まっているならチェックしておいた方が無難です。

欄外:連絡先

欄外のどこかに連絡先を記入する欄があるはずです。連絡先がないと、重大な不備があったときに当事者に連絡が付かず、いつまでも離婚届が受理されないので、協議離婚では法的に離婚が成立しません。

したがって、連絡先を記入しない・虚偽の連絡先を記入することは、当事者にマイナスしかなく、役所が開いている平日の昼間に連絡可能な電話番号を書きましょう。

可能なら(問題なければ)夫婦双方の連絡先の方がベターです。

離婚届の記入を書き間違えてしまったら

書き間違いがあるときは、横線(二重線か一本線)で消して書きなおし、届出人署名押印欄の印鑑(届出印)を、訂正した箇所ではなく欄外に押します(捨印)。

修正液や修正テープを使ってはダメで、これは訂正があった箇所を訂正後も読むことができるようにしておくためです。

ただし、捨印訂正ができない内容もあって、新本籍、親権者の指定、署名は当人の確かな訂正を必要とするため、訂正箇所に直接訂正印を押します。

多くの自治体は、離婚届の欄外に捨印としての届出印を押すための枠が用意されている用紙を使っています。欄外に届出印を押すための枠がなければ、欄外(中段や訂正箇所の横でも良い)に届出印で捨印します。

ちなみに、訂正箇所に訂正印を押してしまった場合でも離婚届は受理されます。

離婚届に訂正すべき点があれば、届出人(離婚の当事者)に訂正を求めますし、欄外の捨印によって、軽微な誤りなら役所で訂正します。

捨印がなくても、軽微な誤りなら「符せん(付箋)」を貼り付け、誤りがある旨を記載する対応がされます(戸籍事務取扱準則制定標準第33条)。

しかし、戸籍の記載ができないほどの重大な不備が後から見つかると、届出人に訂正してもらって受理するか、追完届によって不備を補正します。

なお、本来は訂正、追加(加入)、削除した文字数も記入する必要がありますが(戸籍法施行規則第67条による同規則第31条第4項の準用)、実際はそこまで求められないようです。

捨印について

離婚届では、記入に誤りがないと思っていても、記入した全員(届出人と証人)について欄外に訂正印としての捨印をしておく(必ず届出印を使う)方が無難です。

捨印をさせることが、正しく離婚届を書けないと思われているようで嫌なら、捨印をする必要はありません。その代わり、役所側で捨印を使って訂正できない不備があった場合は、窓口まで出向くことを覚悟しましょう。

また、捨印をすることで、不正な訂正までされてしまうのではないかと思うのなら、そもそも戸籍を扱う職員を疑っていることになるため、その前提では捨印を押しても押さなくても、離婚届に何を書いても同じことです。

よって、離婚を届け出るという法律で定められた行為も、役所の職員を信じられないのでは最初から無意味になってしまいます。

豆知識:離婚届と人口動態調査

同居の期間、別居する前の住所、別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業は、毎年行われる人口動態調査と、国勢調査の年に行われる人口動態職業・産業調査のために必要な情報として、離婚届に記入を求められるものです。

これらの情報は、戸籍に記載される内容ではありませんが、戸籍法施行規則第57条の規定により届け出るべき事項で、離婚届の書式にも用いられています。

離婚届から人口動態調査離婚票を作り、集計される仕組みですが、人口動態調査離婚票を作るのは役所なので、単に離婚届で情報提供をするだけです。

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