調停とは?何をするのかわかりやすく

最終更新日:2022/11/30
調停という言葉を聞いたことがない人にとっては、何のことやら意味がわからない調停ですが、裁判なら聞いたことはあるでしょう。

裁判所は、誰でも「裁判を行う場所」と答えます。しかし、調停も裁判も裁判所で行われる手続なのに、調停と裁判とは全く異なる手続になっています。

詳しくはこれから説明していくのですが、どのくらい違うかひとつ取り上げると、驚くかもしれませんが裁判で下される「判決」が調停にはありません。

なぜなら、裁判と違って調停は人を裁くために設けられた制度ではないからです。

ところが、調停には裁判官が関わります。それでも、調停で裁判官が判決を出すことはしませんし、裁判官が何かを決めてくれることもありません

じゃあ調停って何をするの? となるわけで、そこを説明していきます。

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調停は裁判所で話し合うための手続

裁判(訴訟)は、当事者間での争いごとを裁判所に判断してもらって争いを解決する方法です。良く知られているので説明は省きます。

一方で、同じ裁判所で行う手続でも、調停は全く趣旨が異なり、当事者が話し合って解決することを目的としています。

当事者同士では話し合えないから裁判所を頼るのに、なぜ裁判所で話し合い?

そう思ってしまうのも無理はありません。実際にも、調停を利用しようとする人は、相手と深刻な争いになっているので、今さら何を……と感じてしまうでしょう。

調停が持つ優れた機能と効果

調停には、当事者間の話し合いでは実現できない優れた機能があり、それは調停委員という裁判所職員が、話し合いの間に入ることです。

一般に何かトラブルが起きると、間に入って第三者が仲裁するのは良くありますよね。

しかし、仲裁だけならわざわざ裁判所が関与しなくても、誰に仲裁してもらえばいいのです。調停が優れているのは、裁判所で開かれる手続だから成り立つ、

「調停の話し合いで決まった内容は、裁判所が書面に残すのできちんと守りなさい」

とできる点にあります。裁判所からいわゆる「お墨付き」をもらえるわけです。

これって大きくないですか?

調停で決まったのに無視すると…

誰かの仲裁で何か約束事を決めても、当の本人が守ってくれなければ何の意味もなくなります。ところが、調停で決まった約束事は守らないと大変です。

裁判所が間に入って決めているので、例えば、何か約束した支払いを守らないと、場合によっては相手の財産の差し押さえができるほど強力になっているのです。

参考:調停で決まったことを守らないとどうなる?

このあたりの話は、もう少し調停を理解してからになるので、後からでも参考までに読んでもらえればと思います。

調停では相手と直接話し合わない

トラブルが起きて解決したいけど、相手には連絡もしたくないし顔も会わせたくない。そんなことは、日常のトラブルでも普通にあります。

感情的にならないよう努めても、どうしたって顔を合わせれば言い争いになり、結局何も変わらずにイライラすることも多いでしょう。

そもそも、直接話し合って解決できるなら調停などという裁判所手続は必要なく、調停では基本的に当事者が直接話し合いません

そうすると、お互いの主張を聞いて相手に伝え、どうしたらいいのか一緒に考える、いわば「調整役」のような存在が必要になります。調停でこの役どころをするのが調停委員というわけです。

調停委員は第三者という公平な立場から、当事者双方の言い分を聞き、解決に向けての妥協点を探りながら、時には争いを解決していくために提案も行います。

調停委員について知りたければ、以下を参考にしてみてください。

参考:調停委員とは?詳しく知っておくべきです

調停は本人の同意が絶対的に優先される

調停が裁判所で開かれることから、多くの人が誤解しているのは、調停で裁判所に何か決められてしまうという心配です。もしくはその逆で、裁判所に何か決めてもらいたいと思っているのかもしれませんね。

しかし、調停で何かを決めるのは常に本人です。

調停委員が言うことに強制力はなく、本人の意思確認がされた上で全てが決められます。本人の同意なしに、調停で何かが決められることは絶対にありません。

考えるまでもないですが、調停は問題を抱えて悩む当事者のために開かれるものですから、どうしても譲れないことを調停委員に言われたら、納得できないと突っぱねて全然問題ないのです。

しかし、お互いに譲らなければ、何も進展がなく調停が終わり元に戻ってしまうので、できるだけ落とし所を見つけて解決していくべきでしょう。

そのための手助けとして、争いの一部だけでも解決できるように、調停委員が客観的な立場からアドバイスをしてくれます。

日本の調停制度は注目されている

戦国時代ならともかく、日本人は何かと穏便に済ませたがる民族で、それは長い歴史の中で培われた国民の気質ともいえます。

とにかく裁判で白黒をはっきりさせて、勝った負けたの結果を求めがちな諸外国に比べ、日本の調停制度は平和的な解決を図るために設けられています

調停が平和的で本人主義の手続であることから、何も決まらないと批判の声もあるのですが、現に多くの争いが調停で解決しています。

しかも、日本の調停制度が大正時代からの長きにわたって紛争解決に利用され、今もなお有効に機能している実績は、諸外国から視察に訪れるほどです。

争いの当事者は、ともすると相手に激しい憎悪を持っているため、

「社会的にも精神的にもダメージを与えるために、とにかく裁判で負かしてやりたい。これはお金の問題じゃないんだ! 許せない!」

という人も中にはいるでしょう。

それなら裁判にすればいいだけです。ほとんどの人は「裁判してまで…」とか「裁判はお金がかかるし…」と思うのではないでしょうか。

当事者同士の話し合いと、裁判の中間的な位置にある調停は、争いの解決を裁判に頼るしかない不便さを緩和することに貢献しています。

調停は非公開で行われる

裁判では、良くテレビで「傍聴の抽選に○人が集まりました」と報じられるように、原則的には公開の法廷で行われます(一部の裁判では非公開の手続もあります)。

しかし、人には言えない秘密が誰にでもあります。そして、その秘密がトラブルの元になっていることがあるのも、感情で生きる人間なら普通です。

調停は最初から最後まで、全て非公開で行われ、間に入る調停委員にも守秘義務が課せられます。

また、調停が行われるのは、法廷ではなく調停室です。調停室は、法廷のように特別な場ではなく、平たくいうとテーブルと椅子がある普通の部屋です。

裁判はお金もかかりますし、裁判という大それたことをするのが嫌でも、そのままでは困るときに調停はとても有効です。非公開なので、プライベートな問題を裁判で公にしたくない場合は、調停を活用する動機になるでしょう。

時間的・費用的に負担の大きい裁判よりも、調停を利用することができる環境にあるのは、日本人にとってはメリットが大きいといえます。

まとめ

  • 調停は裁判所で話し合いをするための制度
  • 調停で決まったら守らなければならない(重要)
  • 調停委員が間に入り当事者は直接話さない
  • 調停で何かを決めるのは常に本人
  • 調停は非公開で安心

調停のイメージが少しでもつかめたでしょうか?

裁判所手続なので、どうしても気軽にとはいえませんが、面倒な手続も必要なく利用できるので、何かトラブルになっているなら調停を考えてみましょう。

調停がどのような流れで進むかは、「調停の流れ」で説明していますので確認してみてください。

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初めての調停
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