年金分割調停の申立てと手続について

年金分割調停は、離婚前なら離婚調停に付随して申し立てますので、離婚後の元夫婦のどちらかが申し立てる調停です。申し立てる管轄の家庭裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所が原則で、相手方と合意があれば、管轄合意書の提出によって別の家庭裁判所でも申し立てられます。

ちなみに、住所地というのは、現在居住している地域(現住所)という意味で、住民票上の住所と異なる場合がありますので注意しましょう。現住所がわからなければ、どの調停でも申し立てられません。

また、年金分割調停が申し立てられるのは、合意分割の按分割合が元夫婦で決められない場合に限り、3号分割をするために申し立てることはできませんが、これは3号分割には当事者の合意が必要ないためです。

年金分割調停の申立てに必要なもの

年金分割調停は、分割する年金の種類が違えば別の申立てとして処理されます。したがって、対象の年金記録が厚生年金と共済年金に分かれているときは、それぞれについて申し立てるので2件になります。

  • 請求すべき按分割合に関する処分調停申立書
  • 申立て1件につき収入印紙1,200円分(申立書に貼付)
  • 連絡用の切手(家庭裁判所で異なる)
  • 年金分割のための情報通知書

通信用の切手については、固定額ではなく家庭裁判所で指示された金額を用意します。家庭裁判所内で収入印紙や切手は売っているので、現金を用意しておきましょう。

年金分割のための情報通知書は、日本年金機構の年金事務所や共済組合に請求して、調停前に入手しておかなくてはならない書類です。

なお、年金分割調停は離婚から2年以内に申し立てる必要があります。離婚から2年以内の申立てであれば、調停成立(または調停不成立時の審判確定)が離婚から2年を超えてしまっても大丈夫です。

調停が不成立なら審判へ

年金分割調停は、家事事件手続法上の別表第2事件に該当し、調停を経ずに審判から申し立てることも可能です。

ただし、審判から申し立てても、家庭裁判所の職権で調停から始めさせる場合があるので、審判を申し立てたからといって結果がすぐ得られるとは限りません。

それでも、調停が成立すれば、確定した審判と同じ効力を持ちますし、調停が不成立でも自動的に審判に移行するので、調停か審判で按分割合が決まります。

調停成立後や審判確定後は改定請求を忘れずに

年金分割調停や審判がによって按分割合が決まっても、それだけで自動的に年金分割が行われるのではなく、年金事務所や共済組合に標準報酬の改定請求をしないと、何も効果が生まれない点は要注意です。

標準報酬の改定請求には、調停成立なら調停調書の謄本、審判確定なら審判書の謄本と確定証明書を添付します。これらの書類を改定請求の際に提出することで、改定請求は当事者一方からの請求が可能になっています。

もう1つ注意点があり、標準報酬の改定請求は調停成立または審判確定から1ヶ月、または離婚から2年のどちらか遅い方までにしなくてはなりません。気付いたときには1ヶ月過ぎていたということのないように、改定請求は速やかに行いましょう。

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