調停委員会と調停の登場人物

調停では、争いを解決するために、事件の関係者ではない、複数の第三者から構成される、調停委員会が関与して進められていきます。また、調停委員会には法律で定められた権限があり、調停に大きな影響力を持っています。

調停委員会は、単に当事者間の話し合いを仲裁するだけに留まらず、事実認定に基づいて公平な立場から見解を示したり、当事者に法的なアドバイスを与えたり、職権によって必要な措置を講じたりと、紛争の解決に対し様々な役割があります。

調停は原則として調停委員会を調停機関として行われますが、裁判官のみで調停を行うことも可能です。ただし、当事者が調停委員会での調停を望むときは、調停委員会で調停を行わなくてはなりません(家事事件手続法第247条、民事調停法第5条)。

調停委員会の持つ職権は大きい

調停委員会の職権には、一般人では通常なし得ない、例えば他の機関への調査嘱託や財産の保全措置なども含まれるため、紛争を解決したい当事者の大きな助けになる存在でもあり、当事者はうまく調停委員会の職権を利用するべきです。

つまり、調停委員会の存在は、第三者の介在によって当事者の冷静な話し合いを進め、合意形成を推進する調停本来の目的以外にも、紛争解決において必要な法的手続の受け皿にもなっているのです。

例えば、調停のために必要なら、銀行に対して預金残高の報告を求めるようにもできるため、個人では断られるような照会も裁判所経由で行えるようになります(応じるかどうかは別の話です)。

調停委員会は合議制になっている

調停委員会がその意思決定をするときは、調停委員会を構成するメンバーで決議がされます。この決議は多数決ですが、可否同数では裁判官(調停主任)の票によって決まります。合議制であることは、当事者にとって思いのほか重要です。

1人の裁判官による調停よりも、民間人の調停委員も含めた意見が反映される決議のほうが安心感があり、もし自分と意見が合わない調停委員がいても、他の調停委員や裁判官も反対すれば、1人の調停委員による偏った考えで調停が主導されないからです。

なお、調停委員会は事件について評議しますが、評議の内容を他言することは厳禁で罰則も設けられています。

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