離婚調停では離婚条件を一緒に申立てできる

離婚調停(夫婦関係調整調停)は、単に離婚するかしないかという争いだけではなく、離婚に関連する離婚条件の申立てを一緒に行うことができます(付随申立てといいます)。

昭和の時代まで、離婚を隠しておきたい・恥ずかしいと考える人は多かったのですが、徐々に意識が変わってきたのか、離婚調停は離婚することより離婚条件の争いが激しくなっている傾向にあるようです。

この点は、以前よりも男女平等の意識が高まったこと、女性の社会進出が少しずつ拡大する中で、夫の扶養に頼らなくても自活できる妻が、少しずつ増えてきたことも関係するのかもしれません。

付随申立ての内容は次の通りで、離婚条件がいくつも争点になることは、離婚調停が長期化する理由のひとつにもなっています。

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離婚調停の付随申立てで請求できる内容

それぞれの付随申立てについて詳しく知りたい場合には、単独の調停ページへリンクしているので参考にしてください。ただし、後述のとおり、単独の調停は離婚前に利用できず、離婚前は離婚調停で包括的に話し合います。

夫婦に未成年の子がいると、親権者を指定しなければ離婚できません。したがって、離婚後の親権者に争いがあるときは、原則として必須の付随申立てです。

参考:

子を監護していない親が、子と交流する機会のルールを決めます。離婚後でも申立て可能ですが、まずは離婚調停で決めておき、事情変更などで調整が必要なら、離婚後に面会交流調停で話し合うべきでしょう。

参考:

未成熟の子に対する養育費は、両親に収入の差があると、収入の多い側から少ない側へ支払う形となり、その金額を決めなくてはなりません。養育費は、子の生活維持に不可欠なので、離婚後へ先延ばしせず、可能な限り離婚調停で決めておくべきです。

参考:

婚姻中に夫婦で築き上げた財産を、離婚で清算するための請求です。夫婦の協力で形成された財産なら、どちらの名義でも財産分与の対象になります。離婚後でも申立て可能ですが、請求できるのは離婚から2年間です。

参考:

婚姻中に納付された厚生年金保険料を、夫婦が共同で納付したとみなして、その納付記録を分割する「割合」を決める請求です。離婚後でも申立て可能ですが、請求できるのは離婚から2年間です。

参考:

配偶者の不法行為が、離婚原因になっているときは、精神的苦痛に対する損害賠償として慰謝料を請求できます。慰謝料請求は民事事件ですが、離婚に伴っている場合は家庭裁判所で扱います。離婚後に申し立てることも可能です。

※慰謝料請求調停は今後の追加です。

離婚したくても離婚できない理由は夫婦それぞれとはいえ、離婚調停が離婚だけで申し立てられることは少なく、離婚に合意があっても離婚条件が合わなくて離婚できない場合、付随申立てで解決していくことになります。

付随申立てと離婚調停の成立・不成立

離婚調停の付随申立ては、離婚がなければ請求にならないので(面会交流調停は別居中の夫婦なら婚姻中でも申立て可能)、離婚調停が成立しないのに、離婚条件である付随申立てだけ決まることはありません。

しかし、付随申立てが決まらなくても(親権者の指定を除く)、離婚に合意すると離婚調停を成立させることはできます。その理由は、親権者の指定を除く付随申立てが、離婚後に単独調停として申立て可能だからです。

また、離婚調停が不成立の場合、ほとんどは離婚訴訟で離婚を争うことになるでしょう。このとき、離婚調停での付随申立ては、離婚訴訟での附帯処分として申し立てます。

この辺は、混乱しそうなのでまとめてみました。

【離婚に合意した場合】

合意のある付随申立てと一緒に、離婚調停が成立します。争いの残る付随申立ては、離婚後に単独調停を申し立てて話し合います。

離婚後の単独調停は、慰謝料を除き別表第2事件なので、単独調停が不成立になると、自動的に審判へ移行して終結します(調停に代わる審判がされることもあります)。

【離婚に合意しない場合】

離婚に合意がないのですから、付随申立ても合意のしようがなく離婚調停は不成立です。離婚訴訟を提起することになり、その際に付随申立てを附帯処分として申し立てます。

※厳密には、附帯処分に親権者の指定は含まれませんが、ここでは附帯処分としています。

離婚訴訟で、離婚を認める判決(認容判決)が言い渡されるときは、附帯処分についても家庭裁判所の判断が示されます。

なお、例外として、離婚訴訟の判決前に協議離婚が成立した場合で、附帯処分の争いが協議離婚でも残っているときは、争いの残った附帯処分が裁判されます(人事訴訟法第36条)。

付随申立ては離婚前に単独で申し立てられない

前述のように、離婚調停の付随申立ては、離婚後に調停の申立てが可能な事件です(慰謝料を除く付随申立ては審判の申立ても可能)。

しかしながら、離婚前に単独での調停や審判は申し立てられず、離婚調停に付随して申し立てることになります。

この扱いは、離婚が決まっているのに離婚条件で合意できなくて、協議離婚に至らない(離婚届を出していない)夫婦でも同じです。

付随申立てが離婚前に単独調停できない理由

争いは同じなのに、離婚前だと離婚調停になるのはなぜでしょうか?

理由のひとつは、離婚調停に付随して申し立てられる離婚条件が、決まらなければ離婚に合意できないほど重要である点です。

つまり、離婚と離婚条件は一体であり、離婚条件が合わなければ離婚の合意すら覆される可能性もあるので、離婚前は離婚と離婚条件を分離できません。

もうひとつは、調停の成立や審判の確定によって、法的な効力が生じる点です。前提となる離婚が成立もしていないのに、「もし離婚したら」と仮定して、離婚条件の調停成立や審判確定はあり得ませんよね。

ですから、離婚条件は離婚調停の付随申立てとして扱い、離婚と一緒に話し合うことになっているのです。

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初めての調停
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