離婚方法の種類と離婚するまでの流れ

離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚(狭義)の4つがあり、裁判離婚には和解離婚、請求の認諾による離婚(認諾離婚)、判決離婚があるため全部で6種類もあります。

離婚の9割は、夫婦が話し合って離婚する協議離婚ですから、他の離婚方法は馴染みがないと思いますが、種類として6つあることは覚えておきましょう。

ちなみに、どこまでを裁判離婚とするかは見解の相違があります。

  • 見解1:和解離婚、認諾離婚、判決離婚の3つを裁判離婚とする
  • 見解2:審判離婚、和解離婚、認諾離婚、判決離婚の4つを裁判離婚とする
  • 見解3:調停離婚、審判離婚、和解離婚、認諾離婚、判決離婚の5つを裁判離婚とする

重要なのは、裁判離婚の定義よりも、6種類の離婚方法がどのような流れになるのかですから、あまり深く考えずに、協議離婚とそれ以外の離婚という考え方で問題ありません。

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離婚までの流れと離婚種類の関係

6種類の離婚方法は、次のような流れです。

離婚フロー図

オレンジの枠が離婚成立を意味していますが、協議離婚とそれ以外の離婚では、離婚成立のタイミングが異なるとわかるでしょう。

以降、それぞれの離婚方法について簡単に解説します。

夫婦の合意だけで離婚できる協議離婚

全ての離婚方法の中で、家庭裁判所が関与しないのは協議離婚だけです。協議離婚に問われるのは夫婦の離婚意思であり、離婚の理由は関係ありません。

協議離婚における離婚成立は、役所に離婚の届出があり、戸籍事務管掌者(市区町村長、実際には役所の戸籍担当)が、離婚届の記載を適法だと認めて受理したタイミングです。

なお、離婚の届出は、当事者双方と証人2人の口頭による方法も可能(民法第764条による同法第739条の準用)ですが、離婚届を書けないような事情がなければ使われないでしょう。

協議離婚の離婚届は記載が適法なら受理される

協議離婚では、離婚届の受理が成立の要件であるため、受理に対する役所の審査は厳格に行われるように思えます。ところが、実際には離婚届に記載上の不備がなければあっけなく受理されます。

本来は、夫婦双方の離婚意思を必要とするのですが、届出のあった夫婦双方を役所に呼び出し、離婚意思を確認するような手順はないのです。

戸籍法の改正によって、市区町村長は、必要があれば届出人その他の関係者に対して、質問または文書提出を要求できることが明文化されました(戸籍法第27条の3)。

ただし、この規定を設けるにあたっては、調査(審査)権の行使が、従来から行うことができる範囲内にとどまるものであって、範囲が拡大されるものではないとされています。

つまり、記載に不備がなく、疑義が生じない離婚届において、両当事者の離婚意思を積極的に確認するような運用ではないということです。

離婚届を役所の窓口に出すと、運転免許証等で本人確認されますが、これはあくまでも本人確認であって、離婚意思の確認ではありません。

したがって、離婚届の記載から不適法だと判断できる明確な状況がなければ、基本的に離婚届は受理されて離婚が成立します。また、不適法な離婚届が受理されたとしても、離婚の効力は失われません(民法第765条第2項)。

つまり、無断で出された、偽造された、脅されて書かされたなど、一方の離婚意思を欠く虚偽の離婚届であっても、役所で受理されてしまうと無効であるはずの離婚でも成立するということです。

このとき、離婚の無効を訴えるには、離婚届を勝手に出された側が、家庭裁判所に協議離婚無効確認調停を申し立てるしかありません。

協議離婚を少し詳しく知りたければ、以下をご覧ください。

参考:協議離婚制度

家庭裁判所での話合いによる調停離婚

離婚の協議が夫婦でまとまらない、もしくは協議にならない状況なら、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。

調停は訴訟と違い、家庭裁判所から離婚について強制を受けるものではなく、協議の場を家庭裁判所に移して、第三者の調停委員が間に入り調整役をする手続です。

離婚調停で夫婦が離婚に合意すると、調停が成立して調停離婚となります。

具体的には、調停での合意内容を当事者に確認した上で、裁判官が調停成立を宣言し、家庭裁判所書記官が調停調書を作成して離婚が成立します。

離婚調停で離婚に合意しない場合

調停においても、離婚を決めるのは夫婦ですから、離婚したくない側が離婚調停での話合いに合意しないだけで、調停は不成立になります。

離婚調停が不成立になると、続いて離婚を争う手続は、離婚訴訟を起こすしかありません。

この時点まで離婚がもつれるようなら、弁護士の活用を考えてみるべきでしょう。離婚調停は弁護士なしでも十分可能ですが、離婚訴訟は弁護士の助けを借りたほうが無難です。

参考:調停と弁護士

離婚全体では極めて少ない審判離婚

離婚調停の成立が難しい状況において、家庭裁判所が相当と認めれば、調停に代わる審判をすることが可能になっています。

ただし、調停に代わる審判は、調停では大筋で離婚に合意していても、僅かな争いで離婚できない場合など、限定的なケースしかされません。

調停に代わる審判を夫婦が受け入れ、異議の申立てがなく確定すると離婚が成立します。これが審判離婚と呼ばれる離婚方法です。

離婚のほとんどは協議離婚、残りが離婚調停に持ち込まれ、その中でも限定的なケースとなる審判離婚は極めて少ないです。

裁判離婚は和解・請求の認諾・判決の3種類

離婚調停(または調停に代わる審判)で離婚できず、離婚したい側が離婚請求の訴えを提起すると、離婚訴訟となって最終的には離婚に何らかの決着が付くことになります。

離婚の訴えが認められて認容判決が出るとは限らず、請求棄却の判決なら離婚できませんが、一応の決着ですし上訴は可能です。

離婚訴訟(上訴を含む)は、離婚に向けた最終手続なので、離婚をしたい側(原告)・離婚をしたくない側(被告)のいずれでも、全力で争わなくてはなりません。

これからの一生を決める大きな出来事だと自覚して、できれば弁護士と良く相談の上、悔いのないように挑みましょう。

以下、離婚訴訟における離婚方法の解説です。

和解離婚

判決前に当事者が和解して(離婚の合意をして)離婚する方法です。和解後に協議離婚するのではなく、和解によって和解調書が作成された時点で離婚が成立します。

認諾離婚

請求の認諾とは相手の請求を全面的に認めること、つまり、原告の離婚請求を認めて、被告が離婚に合意することを意味します。認諾によって認諾調書が作成され、その時点で離婚が成立します。

請求の認諾には例外があり、親権者の指定が必要なとき、子の監護に関する処分(養育費など)、財産分与、年金分割の附帯処分の申立てがあるときは、認諾できないと定められています(人事訴訟法第37条第1項)。

判決離婚

訴訟に判決があることは広く知られており、あえて説明も必要ないことから解説はしませんが、離婚請求を認容する判決が確定すると離婚が成立します。

どの離婚方法でも離婚届は必要

協議離婚以外の離婚では、調停調書の作成、審判の確定、和解調書の作成、認諾調書の作成、判決の確定によって既に離婚は成立していますが、戸籍の変更を要するため、手続としての離婚届が必要です。

どの離婚方法による離婚でも、離婚が成立する点に変わりはなく、違うとすれば戸籍に記載される離婚理由です(人によっては重要ですね)。

また、協議離婚以外の離婚方法では、夫婦の一方からの離婚届が適法に受理され、家庭裁判所が発行する次の文書を添付します。このとき、離婚届の届出人は1人になり、相手の署名押印を必要としません。

【協議離婚以外で離婚届に添付する文書】

  • 調停離婚の場合:調停調書謄本
  • 審判離婚の場合:審判書謄本と確定証明書
  • 和解離婚の場合:和解調書謄本
  • 認諾離婚の場合:認諾調書謄本
  • 判決離婚の場合:判決謄本と確定証明書

離婚届をいつまでも出さないと過料制裁?

協議離婚以外の離婚届は、裁判の確定(調停の成立、審判の確定、和解の成立、請求の認諾、判決の確定)から10日以内に出さなければなりません(戸籍法第77条第1項による同法第63条の準用)。

既に離婚は成立しているからと甘く見て離婚届を出さないと、簡易裁判所で5万円以下の過料に処される規定があります(戸籍法第135条、同法第138条)。

参考:調停離婚などで離婚届を出さないとどうなる?

過料制裁は実行されていると思えませんが、過料制裁の規定がある以上、離婚届は速やかに出しておくべきでしょう。

また、過料制裁がなくても、遅れると戸籍届出期間経過通知書(遅れた理由を書く用紙)を書かされ、簡易裁判所に送付される扱いなので、やはり面倒でも離婚届はきちんと10日以内に出すべきです。

まとめ:離婚の方法

  • 離婚には協議、調停、審判、裁判(和解、認諾、判決)がある
  • 協議離婚以外は家庭裁判所が関与する
  • 協議離婚と協議離婚以外では離婚成立のタイミングが異なる
  • どの離婚方法でも離婚届は必要
  • 協議離婚以外は1人で離婚届を出すことができる
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初めての調停
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