離婚後に相手の戸籍を取るには?

離婚をすると、元夫婦は別の戸籍になってしまう事から、他人と同じ扱いを受けます。そのため、離婚によって元夫・元妻の戸籍謄本を取れないように思えますが、実際はほとんどのケースで取ることができます。

特に、正当な理由が認められる場合なら、間違いなく戸籍謄本を取ることは可能です。

第三者が戸籍証明の交付を請求できる正当な理由

  • 自分の権利を行使または義務を履行するため
  • 公的な機関に提出を要するため
  • 職務上の理由(弁護士、司法書士、行政書士など)

正当な理由の多くはこういった理由で、相手の現状が知りたいからという安易な請求では認められません。場合によっては、正当な理由の証明を求められることもありますが、証明できれば問題なく取得できます。

また、請求が不当な目的だと明らかでなければ、無条件で戸籍謄本を取得できるのは次のような人(代理人を除く)です。

無条件で戸籍謄本を請求できる人

  • 戸籍に記載された本人
  • 本人の配偶者
  • 本人の直系尊属(親や祖父母など上の世代)
  • 本人の直系卑属(子や孫など下の世代)

離婚後の元夫婦は他人同士ですが、戸籍に記載が残っていれば本人として請求でき、戸籍に記載がなくても親子関係(親は子の直系尊属、子は親の直系卑属)は切れないので、親子関係から無条件に請求できる場合があります。

元夫の戸籍謄本を取る場合

日本では、夫を戸籍筆頭者とする戸籍に妻が入る(つまり夫の氏を称する)事例が多いので、離婚後にあなたが夫の戸籍から出ていったとします。

※あなたが婚姻中の筆頭者だった場合は、次に説明している「元妻の戸籍謄本を取る場合」を元夫に読み替えてください。

元夫の戸籍から出ていっても、元夫の戸籍にはあなたの記載もあり、あなたが離婚で除籍された記録と戸籍の異動先が残っています。したがって、自身の過去の戸籍である元夫の戸籍は、戸籍に記載されている本人として、問題なく戸籍を取得できます。

ただし、元夫が離婚後に転籍してしまうと、婚姻中の戸籍は除籍になり、転籍した戸籍に離婚の情報は引き継がれないので、元夫の転籍後の戸籍(転籍先は除籍になった婚姻中の戸籍に記載されている)にはあなたの名前は載らず、戸籍に記載された本人として無条件には請求ができません。

離婚後の転籍は、戸籍から離婚歴を消す(現在の戸籍だけですが…)方法として良く用いられています。また、別れた元配偶者から、無条件に戸籍謄本を取られないようにする方法としても使われます。

それでも、転籍先の本籍地の役所に正当な理由(例えば調停で使うなど)を伝え、ついでに婚姻中の戸籍(除籍謄本)を提出すれば、元妻である証明もできて家庭裁判所への提出は正当な理由として十分なので、元夫の戸籍謄本を手に入れられるはずです。

元妻の戸籍謄本を取る場合

あなたが離婚時に戸籍筆頭者であれば、元妻はあなたの戸籍から異動して次のような別の戸籍に存在します(他にも考えられます)。

※あなたが婚姻中の筆頭者ではなかった場合は、前に説明している「元夫の戸籍謄本を取る場合」を元妻に読み替えてください。

  • 離婚時に新たに作った戸籍
  • 離婚前から作られていた戸籍
  • 親の戸籍
  • 親の戸籍から分籍した戸籍
  • 再婚相手の戸籍

いずれにしても、元妻が現在いる戸籍にはあなたの記載がないので、無条件には元妻の戸籍謄本を請求することができません。しかし、自分の戸籍には元妻と離婚した記載があり、自分の戸籍謄本を元夫である証明としては使えます。

まずは、自分の戸籍謄本に記載されている元妻の離婚直後の異動先(本籍)を確認します。異動先の本籍地の役所から、元妻の戸籍謄本(除籍になっていたら除籍謄本)を取得し、その戸籍で元妻が除籍になっていれば、さらに次の異動先(本籍)を確認して、元妻が現在入っている戸籍まで辿っていきます。

もちろん、その過程においては戸籍謄本を請求する正当な理由を必要とします。

戸籍謄本を請求できる2つのケース

離婚後に戸籍筆頭者である相手が転籍してしまった場合、もしくは自分が婚姻中に戸籍筆頭者だった場合は、無条件に相手の戸籍謄本を請求できませんが、次の2つのケースでは戸籍謄本を請求できます。

  • 相手の戸籍にあなたの子供がいる場合
  • あなたに正当な理由がある場合

1については、言うまでもなく子供の直系尊属である親の1人として戸籍謄本を請求できますから、相手が何度転籍しても子供が同じ戸籍に入っている限り親として請求でき、2については前述の通りです。

正当な理由の証明を求められたら?

少ないとは思いますが、役所によっては口頭で理由を伝えても応じてくれず、正当な理由の証明を求められる可能性もあります。相手の戸籍謄本取得に難航するようなら、何が必要になるか役所に確認してみましょう。

このサイトは調停について説明しているので、個人の事情で変わる請求理由には触れませんが、調停を理由として戸籍謄本を請求する場合は、調停中なら家庭裁判所に事件係属証明書を交付してもらえば、役所側もノーとは言えないはずです。

また、調停期日通知書にも申立人と相手方が記載されており、調停中であることはわかるので、写しの提出でも足りるかもしれません。

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