審判離婚は家事事件手続法の施行で増えている

審判離婚は、離婚調停で話し合いがつかないときに、調停に代わる審判によって成立する特殊な離婚方法です。以前までは少なかったのですが、2013年から家事事件手続法が施行されたことで、急増する結果になりました。

ただし、審判離婚全体の絶対数が少ないので、急増したといっても僅かです。

それでも、調停に代わる審判の運用に変化があり、審判できる条件を緩和したことが、数を増やしている原因と考えられます。詳しくは別記事を参考にしてください。

参考:調停に代わる審判

2013年以降は審判離婚の数が右肩上がり

審判離婚の件数は、離婚届を集計した人口動態調査で知ることができます。2012年の82件から、2015年は379件まで増えました。

離婚の総数審判離婚割合
2009253,353890.035%
2010251,378840.033%
2011235,719690.029%
2012235,406820.035%
2013231,3831730.075%
2014222,1072980.134%
2015226,2153790.168%
※資料:2015年人口動態調査

審判離婚は離婚訴訟を食い止めている

調停に代わる審判でも解決しないときは、離婚訴訟しか手続が残されていません。離婚訴訟は長期戦で精神的に辛いですし、弁護士への依頼などで金銭的な負担を伴います。

離婚訴訟で解決しなければならなかった事件を、調停に代わる審判で少しでも迅速に解決できれば、そのほうが良いに決まっているでしょう。調停に代わる審判での審判離婚には、今後も離婚事件の早期解決が期待されています。

審判離婚はどのように成立するのか

審判離婚はレアケースなので、あまり当サイトで詳しく解説しておらず、審判離婚成立までの流れを簡単に説明しておきます。

まず、離婚に争いがあり、協議離婚できない夫婦が離婚したいときは、調停前置主義により離婚調停から始めます。

離婚調停で離婚の合意が得られ、調停成立になると調停離婚ですから、審判離婚の可能性があるのは離婚調停が成立しない場合です。

このとき、大筋の合意ができて争いが僅かな場合や、早急に解決が望まれる場合など、家庭裁判所が相当と認めるときは、調停に代わる審判がされます。家庭裁判所の職権で審判されるので、当事者に申立権はありません(上申はできます)。

審判の内容は、当然に離婚を前提としており、争いのある離婚条件は、双方の事情を考慮した上で、家庭裁判所の判断が示されます。

当事者は異議申立てができる

調停に代わる審判が当事者に告知されると、当事者のいずれでも異議申立てができます。離婚調停の申立人が、離婚を前提とした審判に異議を申し立てるケースは少ないように思えますが、審判内容への不服も考えられるでしょう。

適法な異議申立てによって、調停に代わる審判は効力を失います。その結果、審判離婚は成立せず、調停は不成立なので、争いは離婚訴訟へと続きます。

異議申立てがなければ審判離婚の成立

調停に代わる審判から2週間経過しても、当事者から異議申立てがない場合は、審判が確定することで審判離婚が成立します。

したがって、調停に代わる審判がされただけでは審判離婚にならず、審判の確定が条件となることに注意してください。

審判の確定後(審判離婚の成立後)は、確定証明書を交付してもらい、10日以内に審判書謄本と確定証明書を離婚届に添付して役所へ提出します。

審判離婚を利用するべきか迷ったら

調停に代わる審判の内容に一部でも不服があると、異議申立てをするべきか、そのまま受け入れて審判離婚にするか悩むのではないでしょうか。

異議申立てをする場合、その後は面倒な離婚訴訟で争うことになりますが、仮に判決を得られても、調停に代わる審判よりも都合の良い結果になるとは限りません。

一方で審判離婚を選択した場合、離婚の争いは決着する代わりに、満足とは言えない審判内容も受け入れなくてはなりません。確定した調停に代わる審判は、確定判決と同じ効力を持つからです。

審判に異議を申し立てて離婚訴訟にしたとき、どのようになりそうかある程度の予想が付けば判断のしようもあるのですが、素人には到底無理でしょう。

もし、離婚訴訟の見込みしだいでは、審判に異議を申し立てることも考えているのなら、審判の内容を弁護士へ相談してみましょう。無料で弁護士を案内してくれる離婚サポートが便利です。

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