年金分割のための情報通知書

離婚(婚姻の取消しや事実婚の関係解消を含む)による年金分割を調停で請求するときは、「年金分割のための情報通知書」の提出を家庭裁判所に求められます。

年金分割のための情報通知書が必要になる理由は、この情報通知書に、年金分割が可能な範囲(按分割合の範囲)が記載されているからです。また、情報通知書を見れば、どちらからどちらに年金が分割されるか容易にわかります。

年金分割のための情報通知書は、会社員なら厚生年金なので日本年金機構の年金事務所、公務員なら共済年金なので共済組合(以下、年金事務所等)に請求します。

※注意:平成27年10月1日から厚生年金と共済年金が統合されます。

年金分割のための情報提供請求書の提出

年金事務所等に請求するときに使うのが、「年金分割のための情報提供請求書」で、この書類はかなり書くのが面倒です。

ですから、窓口に行って説明を受けながら書くのが無難ですが、記載要領も用意されているので、一度持ち帰って後日不明なところだけ窓口で聞くと良いかもしれません。

請求に必要なもの

  • 年金分割のための情報提供請求書
  • 年金手帳(共済年金なら基礎年金番号通知書)
  • 戸籍謄本(抄本なら2人分)
  • 事実婚を証明できる世帯全員の住民票の写し等(事実婚の場合)
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書(共済組合の場合)

情報提供請求は、夫婦(元夫婦)の両方ですることも、片方ですることも可能になっており、請求の仕方で「年金分割のための情報通知書」の交付方法が異なります。

  • 夫婦や元夫婦の両方が請求→両方に交付
  • 夫婦(婚姻中)の片方が請求→請求した片方だけに交付
  • 元夫婦(離婚後)の片方が請求→請求した片方と相手方にも交付

婚姻中に夫婦の片方が請求した場合だけ、片方にしか交付されない点に注意してください。この制度を利用して、離婚前に相手に知られることなく年金の情報を得ることが可能になっています。

年金分割のための情報通知書の見方

年金分割のための情報通知書を見ると、それぞれの標準報酬総額の他に、第1号改定者と第2号改定者という記載が目に付くはずです。この違いは、第1号改定者が対象期間標準報酬総額の多い方、第2号改定者が対象期間標準報酬総額の少ない方です。

平たく言えば、対象期間(婚姻中または内縁関係中)において、第1号改定者が年金の多い方、第2号改定者が年金の少ない方になります。したがって、年金が多い第1号改定者から、少ない第2号改定者に対して標準報酬額が分割されます。

もう1つ非常に大切な数字があり、「按分割合の範囲」として記載されています。

按分割合とは、標準報酬総額の少ない第2号改定者における持分(夫婦の合計標準報酬総額に対する割合)を示したものです。しかし、按分割合には範囲があって、「○○%を超え、50%以下」と記載されています。

これは、現在が○○%で、最高50%まで年金分割できるという意味です。年金分割は、按分割合の範囲に示された%の範囲内で、按分割合を決めなくてはなりません。

按分割合は少数を使って表現することも多くあります。30%なら0.3、50%なら0.5といった具合です。

按分割合に下限と上限があるのは、年金の少ない第2号改定者がさらに少なくならないように現在の持分を下限とし、公平性から平等な半分を超えて分割できないように、50%を上限としているのです。

年金分割のための情報提供請求書を必要とする調停

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