調停を始めるには裁判所への申立てから

裁判所で調停を始めるには、必ず「申立て」が必要です。申立てに馴染みがなくても、申立書を使った申請だと思えばそれほど間違っていません。

また、裁判所へ訴え出たり、何かを要求したりすることを申立てといいますので、調停の申立ては、裁判所に調停して欲しいと申し出るわけですね。

そこで、調停を申し立てる際に最初にするべきは、申立書を入手することと、申立書に記入することなのですが、調停の申立書は事件によって異なります(共通書式になっている事件も多くあります)。

一般に言う事件とは、犯罪や話題になった出来事を意味するので、少し妙な感じがするかもしれません。裁判所で取り扱う案件のことを事件と呼び、申立てが受理された調停も、事件番号で管理されます。

また、調停の申立てに必要な書類は、申立書だけとは限りません。申立書と一緒に添付するべき書類は、事件によって様々ですから、それぞれの調停についてまとめているページをご覧ください。

調停申立書の入手方法

各調停の申立書は裁判所にありますので、実際に出向いてもらってくるか、裁判所のホームページからダウンロードして印刷することもできます。

民事調停で使う書式 – 裁判所
家事調停の申立書 – 裁判所

他にも、各裁判所で調停別に書式を用意しているので、申し立てる裁判所のホームページから申立書を入手するほうがベターです。

手続案内を利用しよう

いずれにしても言えることは、初めて調停を申し立てるのであれば、裁判所の手続案内で、一度相談してみるべきだということです。

手続案内では、申立書の書き方や調停手続について教えてもらえますが、実際のトラブルを具体的に話したり、今後どうするべきかというアドバイスなどを相談したりする窓口ではないので注意しましょう。

裁判所の庁舎は広いですし、裁判所に行くことなどめったにありませんから、普通はどこにどの窓口があるのかなんて知っているはずもありません。

裁判所に入って右も左もわからないときには、近くにいる警備員(必ずいるはずです)に、手続案内の場所を聞いてみるのも1つの手です。

裁判所に入ってきて周りをキョロキョロしている人は、すぐに警備員や職員の目に留まりますから、向こうから話しかけてくることもあれば、こちらから聞いても意外と親切に教えてくれます。

また、このサイトでも、解説している調停については、申立書の書き方も説明している(説明が無い調停も追加予定です)ので参考にしてみてください。

調停はどこに申し立てるのか

調停には必ず管轄の裁判所があって、原則は相手方の住所地を管轄する裁判所(家事事件では家庭裁判所、民事事件では簡易裁判所)です。

民事調停では法人が相手方になることも少なくありません。その場合には、法人の事務所や営業所の所在地となります。

この場合の相手方の住所地とは、本籍や住民票上の住所ではなく、現在住んでいる場所なので間違えないようにしましょう。つまり、相手方の現住所を知らないと調停は申し立てることができません。

相手方の現住所を特定するのは困難かもしれませんが、参考までに住所がわからないときのヒントを別ページで紹介しています。

調停を申し立てる人を申立人、申し立てられる人(つまり争いの相手)を相手方と呼びます。調停は相手方を指定して利用する裁判所手続なので、当事者である相手方を調停に参加させる都合上、相手方の住所を知らなく...

管轄の裁判所は変更もできる

調停を申し立てる裁判所は、必ずしも管轄の裁判所に限定されてはおらず、管轄外の裁判所に申し立てても、管轄の裁判所に移されます(移送といいます)。

そのため、原則としては管轄の裁判所で調停は行われます。ただし、当事者が合意していれば他の裁判所を管轄に定めて調停を申し立てることも可能です。

また、相手方の住所地を管轄する裁判所まで出向くのが困難など、特別な事情がある場合は、調停を申し立てた管轄外の裁判所で調停できる場合があります。

これは、自庁処理と呼ばれる対応で、自庁処理がされてしまうと、相手方にとっては管轄外の裁判所で調停が行われる不利益を受けますから、相手方には管轄外を理由とする移送の申立権が与えられています。

ここまでをまとめると、

  • 原則は管轄の裁判所(相手方の住所地)で調停が行われる
  • 管轄外の裁判所でも当事者の合意で管轄にできる
  • 管轄外の裁判所でも申立てはできる(ただし管轄裁判所に移送される)
  • 管轄外の裁判所は特別な事情があれば移送せずに自庁処理ができる
  • 相手方には管轄外を理由とする移送の申立権がある

となります。

申立人としては、相手方が遠隔地の場合、ダメ元で自庁処理を試してみる価値はあります(試さないと移送されます)。自庁処理を希望するときは、調停の申立書や必要書類とは別に、理由を書いた自庁処理上申書を提出します。

逆に自分が相手方で、申立人が自庁処理を希望しているときは、自分の住所地で調停が行われるように、対抗して移送を申し立てるべきでしょう。移送の申立てには移送申立書を提出します。

移送や自庁処理について詳しく知りたい場合は、別ページを用意してあるので確認してみてください。

事件をどの裁判所で取り扱うかは、民事事件でも家事事件でも管轄の規定に従います。よって、原則的には管轄の裁判所に申立て又は訴えを提起します。 家事調停の管轄は、相手方の住所地(現に相手方が居住し...

調停申立ての方法

調停申立書と添付する必要書類は、裁判所に直接持っていって申し立てても、郵送で申し立てても問題はありません。

ただし、不備があれば修正をしたり、追加書類を求められたりするので、面倒でも裁判所に持参して指示を受けたほうが確実です。

また、郵送しかできない遠隔地に申し立てる場合を除き、下見の意味でも調停前に裁判所を訪れておいたほうが良いでしょう。

申立てに必要なもの

調停によって必要とする書類は全く異なるので、ここでは説明しません。調停の個別ページで確認するか、各裁判所のホームページで確認してください。

基本的には調停申立書が3部(裁判所提出用、相手方用コピー、自分用コピー)必要なだけで、他の書類は裁判所に提出する1部で大丈夫なはずです。

ただし、全ての書類で自分用の控えを忘れないようにしたいところです。したがって、どの書類も原本を含めて最低2部は用意しましょう。

その他に、収入印紙(調停によって金額は異なり、申立書に貼り付けて割印・消印はしない)、郵便切手(金額は裁判所で異なる)が必要です。

特に、郵便切手は細かい金額で複数枚用意しなくてはならず、こうした点も含めて、手続案内を利用するか、窓口に持参して指示を受けたほうが無難です。

郵送の場合

郵送でも申立書、必要書類、収入印紙、郵便切手を同封する点は変わりなく、宛先に部署名などは不要で裁判所宛てに送るだけです。

できれば、書類が折り曲がらない封筒(A4が入る定型外の封筒)を使い、中で切手がバラバラにならないように、別の封筒に入れましょう。

郵送方法は普通郵便で可能です。心配なら書留で、それでも心配なら配達証明を付けるくらいですが、そこまで必要とも思えません。

次のステップ:調停申立書の提出と相手方への通知

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