調停の種類には家事と民事がある

調停の種類には大きく分けて2つあり、家庭内や親族内のトラブルを扱う家事調停と、他人間でのトラブルを扱う民事調停があります。

家事調停も民事調停もさらに分かれていますが、基本的には身内の問題なら家事調停、第三者との間なら民事調停と考えておきましょう。

また、お金を貸した債権者と、お金を借りた債務者が利用する特定調停もあります。特定調停は、返済ができない又は返済ができなくなるおそれのある債務者が、債権者と話し合い生活を立て直していくことを目的とします。

なお、家庭内や親族内の問題は家事事件として管轄は家庭裁判所になります。一方で他人間のトラブルは、簡易裁判所(場合によって地方裁判所)の管轄です。

どんな争いなら調停ができる?

訴訟の場合には、法律上の権利や義務について争い、裁判所の判断が判決として命じられるの対し、調停は必ずしも法的な争いを必要としません。

ですから、他人から見るとばかばかしいことでも、当事者が話し合って解決できないのなら、調停に持ち込んでで話し合うことができるのです(もちろん、当事者が調停に参加すればの話です)。

特定調停のように決まった状況の問題を取り扱う調停を除き、家事調停も民事調停も、争いがあって当事者で解決できない状況なら調停の対象になります。

家事事件には調停ができない事件(調停で扱う問題を事件と呼びます)もありますが、紛争性が低く、法律上、家庭裁判所の許可や取消し、選任などが必要になる事件(別表第1事件)に限られます。

極端なことを言うなら、夫婦喧嘩で家庭裁判所に調停を申し立ててもいいですし、隣家の枝の越境で簡易裁判所に調停を申し立てるのもアリです。調停は間口を広くしており、争いごとを解決するために誰でも利用できます。

家事調停と民事調停の違いは?

取り扱う事件が違うだけで、家事調停でも民事調停でも、調停委員が間に入って当事者双方の話を聞きながら、事件を解決していくシステムは変わりがありません。

あえて違う点を挙げれば、事件に対する裁判所の方針でしょうか。

家族・親族が当事者である家事調停は、複雑な人間関係が紛争の原因となっており、紛争解決後にも人間関係は続くことから、家庭裁判所が後見的機能を発揮し、当事者が主張しない事実でも必要な調査は自ら行います。

例えば子に関する事件では、親の主張だけを聞くのではなく、家庭裁判所調査官が子の意向を調査または子に陳述させて、子の利益を優先した解決を目指します。子が関わる事件の判断材料が親の主張だけでは、将来子の幸福を脅かすかもしれないからです。

一方、民事調停は金銭トラブル、損害賠償、不動産関係、交通事故などを扱い、権利・義務は当事者が主張する事実から必然的に存在します。したがって、当事者が主張もしない事実まで、裁判所が調査して採用する必要はありません。

また、民事調停は請求する金額が大きいほど手数料も高くなりますが、家事調停は原則として事件によって手数料が決まっています。

調停委員の違い

調停委員には、家事調停委員と民事調停委員がいて、民事調停では事件の内容に応じて専門的な知識を持つ人が調停委員に指定されることも多くあります。

家事調停では争いの主体が感情面で複雑な場合が多く、紛争解決のために社会経験や人生経験の豊かな人材が指定されやすいです。

ただし、家事調停委員と民事調停委員を兼任する調停委員もいるので、専門分野の調停委員を除くと、どちらの調停委員だから何が違うというものでもありません。

家事調停でも民事調停でも、時には調停委員からアドバイスを受けながら、間接的に当事者で話合いを進めていく手続であることは同じです。

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