財産分与の対象になる財産

財産分与の対象になるのは、婚姻中に夫婦で形成された財物や権利などであって、特に品目を限定するものではありませんが、例えば食べ物や日常的に身につける衣服など、財産とは呼べないものについては財産分与の対象には含めません。

一般的には、価値が低く換価できないものも含める必要はないでしょう。財産分与は、あくまでも常識的な範囲で「財産」として考えられる、財物や権利などを対象にしており、相応の金銭的な価値に置き換えられるなら何でも対象になります。

財産は大きく分けて3つ

どのような財産でも、夫婦の財産は次の3つに分けることができます。

個人の特有財産

特有財産は、原則的に財産分与の対象にはなりません。

婚姻前から夫婦の一方が所有している財産と、婚姻中に夫婦の一方が相続や贈与によって手に入れた財産は、夫婦の貢献がありませんので、特有財産として扱われます。

また、婚姻中に取得しても、専ら夫婦の一方しか使用しない物品で、著しく高価ではないものは特有財産として扱われます。

夫婦の共有財産

婚姻中に取得した夫婦の共有名義である財産、または名義がなくても夫婦が生活の上で共同で使用している財産、帰属がはっきりしない財産は共有財産として扱われます。

共有財産は、全て財産分与の対象になり、その財産形成において貢献度が著しく異ならない限り、夫婦で等しく分けることを原則とします。

名義上は特有財産でも実質的に共有財産

名義上は夫婦の一方の単独名義であっても、婚姻中に夫婦の収入を基礎として得た財産は、実質的な共有財産として扱われます。民法上は、婚姻中に自己の名で得た財産は特有財産とされていますが(民法第762条第1項)、そのままでは夫婦に不公平が生じる場合、財産分与で清算が必要になります。

その代表例は住宅で、名義が単独でも共同で住み利用していくので、実質的には共有財産です。ただし、婚姻中に夫婦の収入で得た特有財産が、潜在的に夫婦の共有名義であるか、不公平があるときだけ分与対象になるのかは見解の分かれるところです。

財産分与の対象になる財産例

離婚時に現に保有している財産と、将来得ることができる財産に分かれます。財産にはプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も含まれることに注意しましょう。

現に保有している財産

  • 現金や預貯金
  • 不動産(土地、建物)
  • 動産(車、家具、貴金属など不動産以外の物品)
  • 有価証券、投資信託、会員権
  • 職業上で有益な資格
  • 営業上の財産
  • 債権債務

将来得ることができる財産

  • 退職金
  • 私的年金(公的年金は年金分割で行う)
  • 掛け捨て以外の保険商品

概ねこういった財産が財産分与の対象になりますが、上記に限らず財産価値があって、婚姻中に形成されたと判断できるものは対象に含めることができます。

また、婚姻前から所有している、もしくは婚姻前の期間に相当する対価は、財産分与の対象には含めませんので、婚姻中の期間に相当する割合で分与することもあります。

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