財産分与の割合は2分の1が基本

離婚に伴う財産分与という考え方は以前からありましたが、財産形成における夫婦の貢献度は以前まで男性寄りで、女性が専業主婦の場合、歴史的に3割程度までしか認めない判断がされてきました。

しかし、時代の変化につれて、現在では夫婦双方に2分の1として財産分与をする方向に変わってきており、何か事情がなければ2分の1を原則とします。

民法の規定上、2分の1とする条文はありませんが、平成8年には、寄与の程度が異なると明らかでなければ相等しいとする改正案要綱が出されました。これを受け、家庭裁判所の実務上でも、2分の1に近い分与割合で、調停・審判・裁判が運用されています。

財産分与は寄与分が考慮される

家庭裁判所は、夫婦の一切の事情を考慮して、財産分与の額や方法を定めるとしていますので、特に財産分与の割合や分与方法について、基本的に2分の1とする以外に特別なルールを持っていません。

これは、離婚が1つとして同じ事情を持たず、財産分与に定型的な判断が許されないことの表れです。個別の事情に合わせて、財産形成の貢献が大きい側に寄与分を考慮し、2分の1から外れたルールを適用することで調整しています。

もっとも、明確に収入を証明できる就労者と異なり、家事や育児には対価を算出する基準がなく、寄与分を証明するのは困難です。しかしながら、婚姻を継続していく過程において、夫婦の分業は夫婦の合意でされるため、家事や育児の寄与分を証明できなくても、平等の価値感で扱うべきという考えもあります。

2分の1にも例外はある

いくら夫婦だからといって、一方は懸命に働き、他方は何の貢献もなく浪費を続けてきた夫婦が離婚するとき、財産分与を2分の1とするのはあまりにも不公平でしょう。

財産分与を2分の1とするルールは、余程の事情がなければ原則とされますが、だからといって単純に2分の1とならないケースもあります。例えば、夫婦の一方だけが収入を得ているとして、月収30万円の家庭と、月収1億円の家庭における家事労働を、同等に考えることはできるでしょうか?

同等に考えるのなら、月収1億円の半分を家事で支えていることになりますが、どう考えても無理があり、寄与分は1億円の収入がある側に認めざるを得ません。

逆の考え方で、夫婦が同じ生活費を出しながら、一方だけが家事も負担してきたなら、家事を負担してきた側に寄与分が認められるはずです。さらに言えば、一方が生活費を出して家事も行い、他方が何もしないで扶養されているだけの夫婦では、生活費も家事も負担した側に、大きな寄与分を認める可能性が高くなります。

  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0