調停委員の変更はできないと思ったほうが良い

自分にとって不利な判断をする(しているとあなたが思う)調停委員が指定されたとしても、当事者側で調停委員を変更する要望はまず認められません。

その理由は、申立人が調停を取下げ可能であること、申立人・相手方のいずれも、調停委員の提案に従う義務は一切ないからです。

調停は当事者の合意が大前提にあり、調停委員が当事者の意思を無視して何かを強制することなど不可能です。相手の言い分ばかり聞いていると感じるのなら、あなたは合意せずに調停を不成立にもできます。

しかしながら、わざわざ裁判所に出向いて調停をしているのに、気に入らない調停委員のせいでうまくいかないとなれば、誰でも腹が立ちますよね?

それでも調停委員の変更は難しく、できないと思っておくほうが無難です。

調停委員は公平の立場ですが…

あくまでも客観的で公平の立場にある調停委員は、その判断が法律や社会通念に照らし合わせて相当であれば、他の人に代わっても同じだと考えられています。

ただし、調停委員が代わっても結果が変わらないというのは、現実的にいえば理想論であって、調停委員の全員が私情に捉われない判断ができるかどうかは疑問です。

実際は、もしかしたら別の調停委員はあなたに有利な方向で調停を進めてくれるかもしれません。では、次々と調停委員を変えることができたとして、はたして何人目に納得のいく調停委員が担当になるのでしょうか?

その裁判所には、あなたに同情的な調停委員は1人もいないかもしれませんよね。もし存在しても、逆に相手が変更を希望して堂々巡りでしょう。

そう考えると、調停委員の変更を容易に認めることは、単に手続進行を遅らせるに過ぎず、結局は当事者に利益がないのです。

当事者の心証が正反対なのは当然

調停というのは、争いごとを解決するためにあるので、当事者同士の主張は全く正反対です。一方の主張を取り入れれば、必ずもう一方に良い印象を与えません。

日常の人間関係でも、全ての人と良好な関係を築くのは無理な話で、八方美人ではうまくいかないように、調停委員も当事者の一方とぶつかることはあります。

だからといって、例えば金額で争っている調停で、一方の主張が100万円、他方の主張が200万円の時に、調停委員から150万円を提案すればそれで済むような簡単な話なら、誰も調停など申し立てようと思わないでしょう。

調停委員は、事件の背景や両方の主張を考慮して解決できそうな提案をするのであって、時には両方から納得が得られない提案すらあり得ますし、そこから更に話合いを続けるのが調停という制度です。

このような背景がありますから、納得できない側が調停委員を変更しろ!と言ったところで、相手は納得していることが多いのではないでしょうか。

調停委員の発言が、客観的にみても公正ではないと認められるひどい内容でなければ、調停委員が代わることはないと思って間違いありません。

非常識な調停委員には絶対に抗議

調停委員は「建前上」公平な立場ですが、人を小馬鹿にしたような態度を取って不快感を与えたり、不平等で差別的な発言をしたりなど、「どこが公平だ」と思える調停委員が残念ながら存在します。

また、例えば離婚調停の申立人に対し、「あんなに良さそうな人と何で離婚したいの?」と言ってくる考えられないほど無神経な調停委員もいるそうです。

離婚調停の相手方がそれほど良い人なら、最初から調停が申し立てられるはずもないことくらい、誰に言われなくてもわかりますよね…普通。

つまり、人間らしいと言えば人間らしい調停委員が、思ったままの感情で配慮もなく発言することが、どれほど調停の当事者を傷付けるのか、考えたこともないような人でも、調停委員はできてしまう現状です。

我慢して調停を進めるくらいなら、調停委員を理由に調停を取り下げたい・欠席したいと感じるほど、良識のない調停委員は実際にいるのです。

調停委員の資質が疑われるなら変更の可能性はある

主観や自己都合で調停委員を代えてもらおうとしても、さすがにそれは難しいと言わざるを得ません。

しかし、調停委員の公平性や人間としての態度・発言に問題があれば、変更の可能性はありますので、迷わず担当の裁判所書記官に相談してみましょう。

調停委員本人に言わないのは、そのような調停委員に何をいっても無駄になるばかりか、むしろ逆効果も考えられるからです。

担当の裁判所書記官は、急に都合が悪くなったときなどに連絡できるように、調停の呼び出し時の通知(調停期日通知書)には連絡先が必ず書いてあります。

抗議するなら調停後に行う

調停中は何とか堪え、調停が終了してから、もしくは帰宅してから電話で裁判所書記官と直接話してみた方がいいです。弁護士が付いているなら、調停中に抗議してもらっても良いでしょう。

担当の裁判所書記官や裁判官に話すのが一番早いですが、腹が立ってどうにも収まらなければ、電話や郵送・FAXで裁判所にクレームを入れて、「他から話を持っていく」流れにしても効果は見込めます。

ただし、そのような方法は担当の裁判官や裁判所書記官が恥ずかしい思いをするかも知れず、それは調停委員を批判したい意図とは異なるはずです。

裁判所書記官とコミュニケーションを取っておくというのも、調停手続の上では大事なことなので、できれば裁判所書記官に直接話してみましょう。

誰もが納得できる本当にひどい状態なら、裁判所書記官から裁判官に報告して調停委員を変更してもらえるかもしれませんし(期待薄ですが)、それが無理でも態度を改めるように、裁判官から調停委員に指導・勧告してもらえます。

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